23日、
宇都宮市の
公園で
爆発が
起き、
3人が
重軽傷を
負った
事件で、
死亡した
男の
衣服から
見つかった
遺書には、
家庭内の
悩みやトラブル、それ
に関する
裁判への
不満が
書かれていたことが、
警察への
取材でわかりました。
本人のものと
見られるインターネット
上の
書き込みにも
同様の
悩みなどが
書かれていて、
警察は、
事件の
動機につながると
見て
調べています。
23日昼前、
宇都宮市本丸町の
宇都宮城址公園内の
駐輪場付近で
爆発があり、
市内に
住む
元自衛官、
栗原敏勝容疑者(
72)が
死亡し、
近くにいた
中学生ら
3人が
巻き込まれ
重軽傷を
負いました。
警察は、男が爆発物で自殺を図り、周囲の人を巻き込んでけがをさせたとして、殺人未遂などの疑いで、公園や全焼した自宅などを現場検証し、調べています。
これまでの調べで、男の衣服からは「命を絶って償います」などと書かれた遺書が見つかっていますが、その後の調べで、遺書はパソコンで作成したと見られるA4サイズ1枚で、家庭内の悩みやトラブル、それに関する裁判への不満が書かれていたことが、警察への取材でわかりました。
また、本人のものと見られるインターネット上のブログなどにも、同じような悩みとともに「自暴自棄に陥っている」などという書き込みがあり、警察は、事件の動機につながると見て調べています。
容疑者のブログやフェイスブックには
栗原容疑者のものと見られるブログやフェイスブックには、家庭内のトラブルをめぐる裁判の判決や、裁判官に対する批判や不満がつづられています。
このうち、今月6日のブログには、家庭内のトラブルをめぐる裁判で敗訴したとしたうえで、「えん罪判決で生きる道を絶たれた。判決に従わないから債権差し押さえ命令を出され、預貯金を没収された。マイホームも競売にかけるでしょう」と書き込まれていました。また、「判事や調停員から『死んだら認めてやる』と言われた」とか、「言いたい放題、やりたい放題だ」などと記されていました。
また、別の日のブログには、「自暴自棄に陥っている」などと将来を悲観するような内容がつづられていました。
「精神保健福祉会」の相談員で活動
精神障害がある人の家族などでつくる「栃木県精神保健福祉会」によりますと、栗原容疑者は、5年前の平成23年ごろ、自分の家族に関する相談で訪れたのをきっかけに、会員になったということです。
そして3年前の平成25年からは、会員からの相談にのる「相談員」としても活動していました。
興野憲史会長(75)は「カメラやインターネットに詳しかったので、広報誌づくりを手伝ってもらい、助かっていた。ふだんは穏やかで、話し合いのときも激高するようなことはなかったが、家族とのトラブルに関する裁判を批判する話ばかりするので、考えが偏っているとも感じていた」と話していました。
ことし5月、興野会長が「会の主旨と違う活動はしないでほしい」と伝えたところ、「迷惑をかけるから」と言って、みずから退会を申し出たということです。