いちばい拡大かくだい西之にしのとう 噴火ふんかはつ上陸じょうりく調査ちょうさ

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Oct 25, 2016 19:10
Furigana
およそ年間ねんかんにわたって活発かっぱつ噴火ふんか活動かつどうつづいた小笠原おがさわら諸島しょとう西之にしのとう噴火ふんかはじめてとなる上陸じょうりく調査ちょうさおこなわれ、しまでは以前いぜんから生息せいそくしていた海鳥うみどり植物しょくぶつなどが確認かくにんされました。専門せんもんなどは、一連いちれん噴火ふんかのメカニズムや、今後こんごしま生態せいたいけいがどのように変化へんかしていくかさらにくわしく調しらべていくことにしています。小笠原おがさわら諸島しょとう父島ちちじま西にし、およそいちさんぜろキロにある西之にしのとうでは、さんねんまえ11月じゅういちがつからおよそ年間ねんかんにわたって活発かっぱつ噴火ふんか活動かつどうつづき、流れ出ながれだした溶岩ようがんなどによって、しまおおきさは、これまでに東西とうざい南北なんぼくにそれぞれいちきゅうぜろぜろメートルほどともとのしまのおよそいちばい拡大かくだいしました。その後そのご西之にしのとう火山かざん活動かつどう低下ていかしたことなどをけて、東京とうきょう大学だいがく地震じしん研究所けんきゅうじょ環境省かんきょうしょうなどの調査ちょうさチームが今月こんげつぜろにちいちにち噴火ふんかはじめてとなる上陸じょうりく調査ちょうさおこない、にち神奈川かながわけん横須賀よこすかみなと帰港きこうして上陸じょうりく様子ようすうつした映像えいぞうなどを公開こうかいしました。

環境省かんきょうしょうなどによりますと、今回こんかい調査ちょうさはわずかにのこったもとしま陸地りくち周辺しゅうへんおこなわれ、生態せいたいけいへの影響えいきょうおさえるためにボートでちかづいたあと、いったんうみにつかってからしままでさんぜろメートルほどをおよいでわたったということです。

もとしま周辺しゅうへんには打ち上うちあげられた溶岩ようがんのかけらであらたな海岸かいがんができていたほか、えてかたまった溶岩ようがんあつさはメートルからろくメートルほどにたっしていたということです。

一方いっぽうもとしま陸地りくちでは噴火ふんかによっておおくがれたとかんがえれていたイネ植物しょくぶつなどがふたたえ、噴火ふんかまえ繁殖はんしょく活動かつどうおこなっていた海鳥うみどりつくってたまごあたためる様子ようす確認かくにんできたということです。

調査ちょうさチームでは溶岩ようがんや噴せき採取さいしゅし、年間ねんかんにわたってつづいた噴火ふんかのメカニズムなどを調しらべるとともに、今後こんごとう生態せいたいけいがどのように形成けいせいされていくのかについても調しらべることにしています。

環境省かんきょうしょう千田せんださとしもと世界せかい自然しぜん遺産いさん専門せんもんかんは「今後こんごしま生態せいたいけい形成けいせいにはとりおおきな影響えいきょうあたえるとかんがえられ、さらにくわしく調しらべていきたい」とはなしています。

海鳥うみどり専門せんもん

今回こんかい調査ちょうさおこなったしま海鳥うみどり生態せいたいくわしい森林しんりん総合そうごう研究所けんきゅうじょ川上かわかみ和人かずと主任しゅにん研究けんきゅういんによりますと、溶岩ようがんおおわれずにのこったもとしま陸地りくちでは、噴火ふんかまえからしま生息せいそくしていた「アオツラカツオドリ」が、つくってたまごあたためている様子ようすや「カツオドリ」の痕跡こんせきとともに、ことし誕生たんじょうしたとられるわかとりつかり、噴火ふんかのあともしま海鳥うみどり繁殖はんしょく活動かつどうつづいているとられることが確認かくにんできたということです。

また、火山灰かざんばいなどにおおわれてれたのではないかとかんがえられていた「オヒシバ」というイネ植物しょくぶつ今回こんかい上陸じょうりく調査ちょうさもとしま陸地りくちえていることが確認かくにんされたということです。

一方いっぽうで、流れ出ながれだした溶岩ようがんなどによってあらたにできた陸地りくちには、海鳥うみどりがとまってはねやすめたり、とりのふんがいている様子ようす確認かくにんできたものの、たいらな場所ばしょはほとんどなく、などは確認かくにんできなかったということです。

川上かわかみ主任しゅにん研究けんきゅういんは「これからあらたな陸地りくち生物せいぶつひろがっていくさいの、スタートとなるデータをることができて、非常ひじょう貴重きちょう調査ちょうさとなった。今後こんご調査ちょうさ結果けっかもと生物せいぶつ分布ぶんぷ状況じょうきょう調しらべ、生態せいたいけいがどうひろがっていくかやせま陸地りくちをどのようにみわけているかなどをあきらかにしたい」とはなしていました。

火山かざん専門せんもん

調査ちょうさ参加さんかした東京とうきょう大学だいがく地震じしん研究所けんきゅうじょ前野まえのふかしじょきょうによりますと、今回こんかい調査ちょうさしま西側にしがわの、もとしま陸地りくちやその周辺しゅうへんおこなわれました。もとしま陸地りくち周辺しゅうへんにはなみによってくだかれたとられる溶岩ようがんのかけらなどが多数たすう打ち上うちあげられていて、もと陸地りくちまでぜろメートルほどにわたってあらたな海岸かいがんができていました。

今回こんかい噴火ふんか流れ出ながれだした溶岩ようがんあつみは、先端せんたん部分ぶぶんあつさがよんメートルからメートルほどあり、もっとあついところではいちぜろメートル以上いじょうたっしているということです。

溶岩ようがん先端せんたんでは、海水かいすいれて急激きゅうげきやされたことでできたとられる、ガラスしつおおふくんだそう確認かくにんされ、前野まえのじょきょう活発かっぱつ溶岩ようがん流れ出ながれだしていたことをしめ痕跡こんせきだとしています。

海岸かいがんにはぜろぜろメートル以上いじょうはなれたしま中央ちゅうおう付近ふきん火口かこうから、噴火ふんかともなってんできたとられる直径ちょっけいぜろセンチほどのおおきな噴せき確認かくにんされました。また、わずかにのこったもとしま陸地りくちでは、あついちぜろセンチほどの火山灰かざんばいもっていたということです。

研究けんきゅうチームは、もとしま陸地りくち衛星えいせい通信つうしん設備せつびそなえた地震じしんけい設置せっちするとともに、航空こうくう写真しゃしんなどをてがかりに時期じきことなる溶岩ようがんいちさんか所かしょ採取さいしゅしました。

今後こんご持ち帰もちかえった溶岩ようがんや噴せき分析ぶんせきするなどして、年間ねんかんにわたってつづいた噴火ふんかくわしいメカニズムなどを調しらべることにしています。

前野まえのじょきょうは「採取さいしゅしたサンプルは地下ちかのマグマの性質せいしつ反映はんえいしているので、くわしく解析かいせきおこなって噴火ふんか実態じったいあきらかにするとともに、伊豆いず諸島しょとう小笠原おがさわら諸島しょとうなどで火山かざん活動かつどう活発かっぱつになったさいに、どのようなことがこりうるのかをかんがえるがかりにしていきたい」とはなしています。

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