11月5日は、
国連が
新たに
定めた「
世界津波の
日」です。
津波の
日の
由来となった
故事が
残る
和歌山県広川町でも、
津波を
想定した
避難訓練が
行われました。
11月5日は、
江戸時代の
安政南海地震の
際、
現在の
和歌山県広川町の
商人が
稲の
束に
火をつけて
津波の
襲来を
知らせ、
村人を
高台に
避難させたという「
稲むらの
火」の
故事にちなんで、
去年、
国連が
新たに「
世界津波の
日」と
定めました。
初めての「世界津波の日」の5日、広川町の小中学生が、当時築かれた堤防に土をまいて津波の犠牲者を悼みました。
このあと、南海トラフの巨大地震が発生し、大津波警報が出たという想定で避難訓練が行われ、町内のおよそ1000人が防災行政無線による呼びかけで、高台にある神社などに避難しました。
また、沿岸部を走るJR紀勢線では地震で列車が緊急停止したという想定で訓練が行われ、はしごを使って線路に降りた人たちが乗務員の誘導で最寄りの避難場所に避難しました。
広川町によりますと、今回の訓練では、参加者全員が想定される津波の到達時間よりも早く避難を終えたということです。
参加した小学6年生の男の子は「いつどんなときでも地震が起きたらどうするかを考えておきたい」と話していました。
東日本大震災の被災地でも
東日本大震災の被災地の仙台市で巨大地震でも大津波警報が出たという想定で避難訓練が行われました。
訓練は、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が発生し宮城県内に大津波警報が出たという想定で、仙台市沿岸部の住民など、およそ1200人が参加して行われました。
このうち、仙台市太白区の小学校では住民およそ400人が警報を知らせる防災行政無線や、メールをきっかけに高さ15メートル以上ある屋上に避難しました。
そして、消防が屋上に避難した人をヘリコプターで救助して病院に搬送する訓練を行いました。
3人の子どもと一緒に参加した40代の母親は「子どもが言うことを聞かず、避難は大変でしたが、すぐに避難することが大切だということを伝えていきたい」と話していました。
また、仙台市若林区では、東日本大震災のあと高台の道路に避難するために設けられた高さ7メートル余りの非常用階段に住民およそ100人が避難しました。
参加した70代の男性は「津波からの避難はとにかく高い所に逃げることが大切だと思います」と話していました。