Japanese News: ７月の参院選めぐる１票の格差判決出そろう

ことし７月しちがつに行おこなわれた参議院さんぎいん選挙せんきょの１いち票ひょうの格差かくさをめぐって、２ふたつの弁護士べんごしグループが起おこした一連いちれんの裁判さいばんは、８はち日にちで高裁こうさいの判決はんけつが出でそろいました。１いち６ろく件けんの判決はんけつのうち「違憲いけん状態じょうたい」が１いち０ぜろ件けん、憲法けんぽうに違反いはんしない「合憲ごうけん」が６ろく件けんでした。このうち、「違憲いけん状態じょうたい」の判決はんけつは、広島ひろしま高裁こうさい岡山おかやま支部しぶ、名古屋なごや高裁こうさい金沢かなざわ支部しぶ、仙台せんだい高裁こうさい秋田あきた支部しぶなどで、「合憲ごうけん」の判決はんけつは、高松たかまつ高裁こうさい、福岡ふくおか高裁こうさい宮崎みやざき支部しぶ、札幌さっぽろ高裁こうさいなどが言い渡いいわたしました。参議院さんぎいん選挙せんきょの１いち票ひょうの格差かくさをめぐっては、最大さいだいで４よん．７なな７なな倍ばいの格差かくさがあった平成へいせい２に５ご年ねんの選挙せんきょについても、各地かくちの高裁こうさいが「違憲いけん状態じょうたい」や「憲法けんぽう違反いはん」の判断はんだんを示しめしています。

１いち５ご件けんの判決はんけつのうち、「選挙せんきょ無効むこう」を含ふくめた「憲法けんぽう違反いはん」が３さん件けん、「違憲いけん状態じょうたい」が１いち２に件けんで、「合憲ごうけん」は１いち件けんもありませんでした。

高裁こうさいの判決はんけつに続つづいて、最高さいこう裁判所さいばんしょはおととし１１月じゅういちがつ、統一とういつ的てきな判断はんだんを示しめし、「違憲いけん状態じょうたい」とする判決はんけつを言い渡いいわたしました。

判決はんけつでは、「格差かくさは最大さいだいで５ご倍ばい前後ぜんごの水準すいじゅんが続つづいている。選挙せんきょ区くを都道とどう府県ふけん単位たんいとしている現行げんこうの選挙せんきょ制度せいどを改あらためるなどして、できるだけ速すみやかに不ふ平等びょうどうな状態じょうたいを解消かいしょうすべきだ」と指摘してきしました。

過去かこの参院さんいん選せんの判決はんけつは

参議院さんぎいん選挙せんきょの１いち票ひょうの格差かくさをめぐっては、最大さいだいで４よん．７なな７なな倍ばいの格差かくさがあった平成へいせい２に５ご年ねんの選挙せんきょについても、各地かくちの高裁こうさいが「違憲いけん状態じょうたい」や「憲法けんぽう違反いはん」の判断はんだんを示しめしています。

その後そのごの定数ていすう是正ぜせいの動うごき

このあとに行おこなわれたことしの参議院さんぎいん選挙せんきょでは、「１いち０ぜろ増ぞう１いち０ぜろ減げん」の定数ていすう是正ぜせいが行おこなわれました。

そして、隣接りんせつする２ふたつの県けんを１ひとつの選挙せんきょ区くにする、いわゆる合ごう区くが初はじめて導入どうにゅうされ、格差かくさは最大さいだいで３さん．０ぜろ８はち倍ばいに縮小しゅくしょうしました。

ことしの選挙せんきょも「違憲いけん状態じょうたい」相次あいつぐ

しかし、出でそろった高裁こうさいの判決はんけつでは「違憲いけん状態じょうたい」の判断はんだんが相次あいつぎました。合ごう区くを含ふくむ定数ていすう是正ぜせいが積極せっきょく的てきに評価ひょうかされませんでした。

このうち、広島ひろしま高裁こうさい岡山おかやま支部しぶは先月せんげつ１いち４よん日にち、「最小さいしょう限げんの合ごう区くで是正ぜせいを図はかったため、３さん倍ばいを超こえる格差かくさが残のこり、著いちじるしい不ふ平等びょうどう状態じょうたいを解消かいしょうするには足たりない」と指摘してきしました。

広島ひろしま高裁こうさい松江まつえ支部しぶは先月せんげつ２に６ろく日にち、「衆議院しゅうぎいん選挙せんきょの格差かくさが２に倍ばい未満みまんになることを基本きほんとするという基準きじゅんと比較ひかくして大おおきな開ひらきがあり、一部いちぶに合ごう区くを採り入とりいれているとはいえ、著いちじるしい不ふ平等びょうどう状態じょうたいにあった」と判断はんだんしました。

また、「違憲いけん状態じょうたい」の判決はんけつの中なかには、おととしの最高裁さいこうさい判決はんけつで「選挙せんきょ区くを都道とどう府県ふけん単位たんいとしている現行げんこうの選挙せんきょ制度せいどを改あらためるべきだ」とした点てんを引用いんようしながら、去年きょねん行おこなわれた定数ていすう是正ぜせいの法ほう改正かいせいが不十分ふじゅうぶんだと指摘してきするものもありました。仙台せんだい高裁こうさい秋田あきた支部しぶは先月せんげつ１いち９きゅう日にち、「去年きょねんの法ほう改正かいせいは都道とどう府県ふけんを単位たんいとする選挙せんきょ制度せいどの仕組しくみを基本きほん的てきに維持いじしたもので、これまでの違憲いけん状態じょうたいは解消かいしょうしていない」と指摘してきしました。

続つづいて、大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょは先月せんげつ２に０ぜろ日にち、「合ごう区くが行おこなわれた２ふたつの選挙せんきょ区くを除のぞけば、基本きほん的てきには都道とどう府県ふけんを選挙せんきょ区くの単位たんいとするもので、最高裁さいこうさいが認みとめた著いちじるしい不ふ平等びょうどう状態じょうたいを残のこしている」として「違憲いけん状態じょうたい」とする判決はんけつを言い渡いいわたしました。

「合憲ごうけん」判決はんけつその理由りゆうは

一方いっぽう、「合憲ごうけん」の判決はんけつでは、合ごう区くなどによって格差かくさが縮小しゅくしょうした点てんを積極せっきょく的てきに評価ひょうかしました。

高松たかまつ高裁こうさいは先月せんげつ１いち８はち日にち、「合ごう区くなどにより格差かくさが縮小しゅくしょうし、一部いちぶの選挙せんきょ区くを合ごう区くとしつつも、都道とどう府県ふけんを選挙せんきょ区くの単位たんいとして定さだめることは合理ごうり性せいがある」とする判断はんだんを示しめしました。

また、福岡ふくおか高裁こうさい那覇なは支部しぶも先月せんげつ２に０ぜろ日にち、「合ごう区くを設もうけることで都道とどう府県ふけんを選挙せんきょ区くの単位たんいとする選挙せんきょ制度せいどの仕組しくみを改あらため、最高裁さいこうさい判決はんけつの趣旨しゅしに沿そう措置そちを採とったということができる」と指摘してきしました。

１いち票ひょうの格差かくさ訴訟そしょうその後そのごは

各地かくちの高裁こうさいが言い渡いいわたした１いち６ろくの判決はんけつに対にたいし、原告げんこくの弁護士べんごしグループは最高さいこう裁判所さいばんしょに上告じょうこくする手続てつづきをとっています。そして、１いち６ろくの判決はんけつについては最高裁さいこうさいでまとめて審理しんりされることになっています。