9年前のいわゆる「
闇サイト
殺人事件」で
無期懲役が
確定した
男が、
18年前、
愛知県碧南市で
夫婦を
殺害して
現金を
奪ったなどとして、
強盗殺人などの
罪に
問われた
裁判で、
名古屋高等裁判所は「
2人を
殺害した
結果は
重大だ」と
指摘して
1審に
続き
死刑を
言い渡しました。
岐阜県出身の
堀慶末被告は(
41)、
平成10年、
愛知県碧南市で
仲間2人とともにパチンコ
運営会社の
営業部長と
妻の
2人を
殺害して
現金を
奪ったほか、
平成18年に
名古屋市守山区で
女性に
大けがをさせたうえ
貴金属などを
奪ったとして、
強盗殺人や
強盗殺人未遂などの
罪に
問われました。
1審の名古屋地方裁判所は去年12月、死刑を言い渡したのに対し、被告が控訴して殺意はなかったと主張していました。8日の2審の判決で名古屋高等裁判所の山口裕之裁判長は、いずれの事件でも殺意があったとしたうえで、「2人を殺害した結果は重大で、被告の関与なくしてこのような結果は生じ得なかった。死刑が重すぎて不当とは言えない」として、1審に続いて死刑を言い渡しました。
堀被告は、この事件とは別に、平成19年に携帯電話のサイトで知り合った男らと、名古屋市内で女性を連れ去って殺害したいわゆる「闇サイト殺人事件」で無期懲役が確定しています。
判決を受けて、碧南市の事件で殺害された夫婦の2人の息子が弁護士を通じてコメントを出しました。このうち長男の馬氷一樹さん(26)は、「当然の結果だと思います。被告はこれ以上争わないでほしいと思います」とし、次男の貴成さん(25)は、「被告が死刑になったからといって両親が戻ってくるわけでもないし、私たちが心から癒やされることもありません」としています。
一方、「闇サイト殺人事件」で堀被告に31歳の娘を殺害された名古屋市の磯谷富美子さん(65)は名古屋市内で記者会見し、「娘のときは2審で死刑判決が覆ったので、きょうの裁判長の棄却という言葉は胸に重く響きました。きょうは私にとっても大きな区切りになると思います」と話していました。