ことし
4月の
熊本地震で
JR豊肥線の
回送列車が
脱線した
事故について、
国の
運輸安全委員会は、
地震の
揺れのおよそ
1秒後には
複数の
車輪がレールに
乗り上げ
脱線が
始まっていたとする
報告書を
公表しました。ことし
4月16日の
熊本地震の
本震で、
震度7を
観測した
震源地からおよそ
30キロ
離れた
阿蘇市の
JR豊肥線の
赤水駅構内で、
走行中の
2両編成の
回送列車が
脱線しました。
運輸安全委員会が24日公表した報告書によりますと、列車の速度などを記録する装置を分析した結果、地震発生のおよそ10秒後に大きな揺れが到達した可能性が高いとしています。
そして、レールに残っていた痕跡から、到達のおよそ1秒後には複数の車輪がほぼ同時にレールに乗り上げて脱線が始まったと見られると分析しています。
当時、運転士は地震の激しい揺れと携帯電話の緊急地震速報を聞き、非常ブレーキを掛けましたが、それより前に脱線が始まっていたと指摘しています。
JR九州によりますと、豊肥線は地震による土砂崩れの影響で、肥後大津と阿蘇の間で現在も運転できない状態で、再開のめどは立っていないということです。