北方四島の
元島民などで
作る「
千島歯舞諸島居住者連盟」の
理事長を
23年間にわたって
務め、
返還運動の
先頭に
立ってきた
小泉敏夫さんが、
24日夜に
亡くなりました。
93歳でした。
小泉敏夫さんは、
小学校を
卒業するまで
北方四島の
色丹島で
育ちましたが、
昭和20年に
旧ソビエトが
島を
占領したあとは、
島を
臨む
根室などで
暮らしました。
平成4年に元島民などで作る「千島歯舞諸島居住者連盟」の理事長に就任し、その後23年間にわたって理事長を務め、北方領土の返還運動の先頭に立ってきました。
領土返還を求める署名運動を全国に広げるとともに、平成11年に始まった、元島民や家族がふるさとの島の居住地だった場所などを訪れるいわゆる「自由訪問」の実現に力を尽くしました。
また、ロシアにも直接出かけ、「領土問題の解決が先決だ」という元島民などの声をロシア側の関係者に届けました。
小泉さんは去年5月、高齢を理由に理事長を退き札幌市で暮らしていましたが、親族によりますと、3か月前に体調を崩して入院し、24日午後11時ごろ、老衰のため亡くなったということです。93歳でした。
「千島歯舞諸島居住者連盟」の脇紀美夫理事長は「政府による領土交渉を後押しするため、粘り強い運動が必要となる中、小泉さんをうしなったことは大きな悲しみです。小泉さんの遺志を受け継ぎ、北方領土の一日も早い返還を願い全力を尽くして参ります」とするコメントを発表しました。