天皇陛下は、皇后さまや皇太子ご夫妻、そして、秋篠宮ご夫妻と長女の眞子さま、次女の佳子さまとともに、午前中3回、宮殿のベランダに立ち、訪れた人たちに手を振ってこたえられました。
天皇陛下は、誕生日に寄せられた祝意に感謝の言葉を述べたうえで、22日、新潟で大きな火災があったことに触れ、「多くの人が寒さの中、避難を余儀なくされており、健康にさわりのないことを願っています」と話されました。
そして、「冬至が過ぎ、ことしもあとわずかとなりましたが、来年が明るく、また、穏やかな年となることを念じ、皆さんの健康と幸せを祈ります」と述べられました。
午後からは、宮殿で安倍総理大臣や衆参両院の議員、それに各界の代表など470人余りが出席して祝宴が開かれました。
このあと、139の国や地域の代表などとの茶会も開かれ、天皇陛下は皇族方とともに、華やかな民族衣装を身につけた大使夫妻などと和やかに歓談されました。
皇居では、午後から一般の人たちを対象にした記帳による参賀も受け付けられ、23日の1日で、これまでで最も多かった平成21年のおよそ3万人を上回る3万8000人余りが参賀に訪れたということです。
23日は、初めて参賀に訪れたという人たちの姿が目立ち、宮内庁の幹部らは、「天皇陛下がお気持ちを表明された影響もあったと思われる」と話しています。
一般参賀の参列者は
相模原市の71歳の女性は、「ことしは天皇陛下のお気持ち表明がありましたが、高齢になられ、自分自身も年をとったので一度参加したいと思い初めて来ました。最近、体調を崩されていたようですが、きょうはお出ましになり本当にうれしく思います。退位の件は、天皇陛下のお気持ちに添ったようになればいいと思います」と話していました。
一緒に訪れた71歳の夫は、「象徴天皇として国民に寄り添うという姿勢をこのまま続けていただきたいですが、心身ともにお疲れだと思いますので、疲れを癒やしていただきたいです。お2人ともお元気そうで本当によかったです」と話していました。
東京・板橋区の30歳の男性は、「ことし子どもが生まれたので子どもを参加させたいと思い初めて来ました。天皇陛下を間近で拝見できてとてもうれしく思います。きのう起きた火災についても触れられていて、公務でお忙しい中、心を配り発言されていることをうれしく思います。体に差し障りのないよう公務に臨んでいただきたいと思います。ことしは退位のことがあり、これまであまり関心がなかった皇室について考えるきっかけになりました」と話していました。
埼玉県越谷市から妻と一緒に訪れた82歳の男性は「自分も80歳を超え一生に一度は参加したいと思い初めて来ました。自分も体がちょっと疲れてきていますが、同じ世代の天皇陛下もそうなのではないかと思うので少し楽にしていただきたいと思います」と話していました