奈良市の
春日大社で
見つかった
古い
刀が、
平安時代から
鎌倉時代にかけて
作られた「
黒漆太刀」と
呼ばれる
名刀であることがわかり、
神社は
鎌倉時代に
権勢を
振るった
北条氏が
納めたと
伝えられる
太刀の
可能性が
高いとしています。
奈良市にある
春日大社によりますと、
昭和14年に
宝庫の
天井裏から
見つかった
3つの
太刀について、
社殿などを
修復する「
式年造替」に
合わせて
磨き、
今月東京国立博物館に
委託して
鑑定を
行いました。
その結果、さやなどが黒い漆で装飾された「黒漆太刀」と呼ばれる刀で、刃の部分の模様やそりの特徴から、平安時代の末期から鎌倉時代の後期にかけて作られた名刀とわかったということです。
春日大社によりますと、鎌倉時代に権勢を振るった北条氏が「黒漆太刀」を奉納したという記述が文献にあることから、これらのいずれかである可能性が高いということです。
東京国立博物館の酒井元樹主任研究員は「当時の大刀がこれほどいい状態で残っていることは珍しく、国宝に指定されている太刀と比べても遜色ない。日本の刀剣史を考えるうえで非常に興味深い発見だ」と話しています。
これらの太刀は、春日大社の国宝殿で来年3月まで展示されています。