地元の知事によりますと、少なくとも35人が死亡、40人がけがをしたということです。
また、襲撃した人物は入り口で警察官を射殺し、中に入ったということです。
イスタンブールにある日本総領事館によりますと、これまでのところ日本人が巻き込まれたという情報は入っていないということです。
地元メディアによりますと、襲撃した人物は当時、サンタクロースの格好をしていたということです。
また、今も逃走を続けていて、当局はクラブの中に潜んでいる可能性もあると見て行方を追っているとしています。
現場となったナイトクラブはイスタンブール中心部のボスポラス海峡に面した地区にあり、トルコの富裕層や外国人などが集まることで知られ、当時も新年を祝おうと数百人の客が訪れていたということです。
現地からの映像には、ナイトクラブの周辺に多くの救急車などが集まり、不安そうに見つめる市民の姿が映っています。
警察は付近一帯を封鎖して警戒を強化しています。
トルコでは、イスタンブールや首都アンカラなど各地で、過激派組織IS=イスラミックステートや、クルド系の過激派組織によるテロが相次いでいます。
「あらゆるものに銃を乱射」
現場のナイトクラブにいた男性は担架で運ばれる際、地元メディアに対して「足を銃で撃たれました。興奮した様子の人が入ってきて、あらゆるものに銃を乱射していました。何人いたかはわかりませんが、1人が銃撃しているのが目に入りました」と話していました。
夫と一緒に現場にいたという女性は「夫に伏せるように言われるやいなや、男が入ってきました。発砲していたのは2人か3人だったと思います。私たちが特殊部隊に外に連れ出されるまで、銃撃が続いていました」と振り返りました。
また、ナイトクラブで親戚が働いているという男性は「親戚にまだ連絡がつきません。テレビで事件のことを知り、現場に駆けつけたところです」と心配そうに話していました。
トルコ テロ事件相次ぎ警戒強める
トルコでは、隣国シリアで勢力を維持する過激派組織IS=イスラミックステートや、トルコからの分離独立を求めるクルド系の過激派組織が関わったとされるテロ事件が相次いで起きていて、トルコ政府は警戒を強めていました。
最大都市のイスタンブールでは先月10日、中心部にあるサッカースタジアムの近くで2度にわたって大きな爆発が起き、市民や警察官45人が死亡するテロ事件が起きました。
この事件では、クルド人武装組織PKKの分派の過激派組織「クルド解放のタカ」が犯行を認めました。
このほか、去年1月には旧市街の世界遺産に登録されている地区で自爆テロがあり、ドイツ人観光客12人が死亡しました。
さらに6月にはアタチュルク国際空港で起きた自爆テロで45人が死亡し200人以上がけがをしました。
2つの事件では犯行声明は出ていませんが、トルコ政府はISのメンバーやISとつながりのある人物による犯行の可能性が高いと分析しています。
一方、首都アンカラでは去年2月、官庁街で爆弾を積んだ車が爆発し、兵士など29人が死亡しました。
また、3月には繁華街で38人が死亡する爆弾テロが起きていて、「クルド解放のタカ」が犯行を認める声明を出しています。
トルコではこのほか、各地で警察を狙ったテロ事件が相次ぎ、南部の都市アダナでも去年11月に県知事庁舎のそばで爆弾テロがあり、2人が死亡しました。
米「最も強い言葉で非難」
アメリカ、ホワイトハウスの国家安全保障会議のプライス報道官は声明を出し、「イスタンブールで起きた恐ろしいテロ攻撃を最も強い言葉で非難する。犠牲者の家族に哀悼の意を表すとともに、けがをした人たちの早期の回復を祈る」と述べました。
また、ホワイトハウスのシュルツ副報道官は、事件を受けて、オバマ大統領がトルコの当局に支援を申し入れるよう、スタッフに指示したことを明らかにしました。