14日朝、
埼玉県蕨市にある
JR蕨駅で
盲導犬を
連れた
男性が
ホームから
転落し、
電車と
接触して
死亡しました。
警察が
詳しい
状況を
調べています。
14日午前7時すぎ、
埼玉県蕨市にある
JR蕨駅で、
京浜東北線の
上りのホームにいた
盲導犬を
連れた
男性が
線路に
転落し
電車と
接触しました。
男性は
年齢が
60代くらいと
見られ
病院に
運ばれましたが
死亡しました。
警察などによりますと、現場のホームには点字ブロックが設けられていますが、転落防止用の柵などは設置されていませんでした。
警察が電車に設置されたカメラの動画を調べたところ、男性はホームぎりぎりの位置に立ち、その左後ろに盲導犬がいる様子が確認され、男性はその後ホームから転落したということです。
男性は転落する際にハーネスから手を離し、盲導犬は転落を免れたということです。当時、男性の周囲には誰もいなかったということで、警察は誤って転落した可能性があると見て、身元の確認を進めるとともに詳しい状況を調べています。
休日のためホームに駅員不在
JR東日本によりますと、京浜東北線の蕨駅は1日およそ12万人が利用します。14日は休日のため、事故当時ホームには駅員はいませんでしたが、改札には駅員が1人いたということです。
JR東日本は「痛ましい事故が発生したことについて心よりおわび申し上げます。このような事故が発生しないよう原因を究明し、対策を取っていきます」と話しています。
相次ぐホーム転落事故と対策は
国土交通省によりますと、昨年度までの6年間に、視覚障害者がホームから転落したり列車と接触したりした事故は、合わせて481件に上っています。
去年8月には、東京メトロ・銀座線の青山一丁目駅のホームから、盲導犬を連れて歩いていた男性が線路に転落し、電車にはねられて死亡しました。
さらに去年10月には、大阪・柏原市の近鉄大阪線の河内国分駅で、視覚障害のある男性が線路に転落し、特急電車にはねられて死亡する事故が起きました。
事故を受け、国土交通省と鉄道事業者は、安全対策を検討する会議を設置し先月、1日に10万人以上が利用する駅では、条件が整えば平成32年度までにホームドアを設置することなどを盛り込んだ新たな対策をまとめました。
ソフト面の対策としては、駅員の誘導案内の強化を挙げていて、ホームドアが設置されていない駅では視覚障害者から申し出があれば案内を実施するほか、視覚障害者に気付いた際は声をかけて案内を希望するか確認し、希望しない場合であっても可能なかぎり乗車まで見守るとしています。
JR東日本では先月、今回、事故が起きた京浜東北線のすべての駅でホームドアを設置し、このうち蕨駅を含む26駅については平成32年度までに設置すると発表していました。
視覚障害者の女性「自分も蕨駅で転落」
JR蕨駅を通勤で利用している目が不自由な50代の女性は「私も以前、蕨駅で転落して、周囲の人たちに引き上げてもらったことがあります。目が不自由な人にもその位置が正確にわかるような形で、転落を防ぐドアの設置を進めてほしいです」と話していました。