19日正午前、
北海道の
新千歳空港に
着陸した
全日空の
旅客機が
滑走路から
誘導路に
出ようとした
際、
曲がりきれずに
滑走路を
逸脱して
周辺に
積もった
雪に
突っ込み、
動けなくなりました。
けが人などはいませんでした。
国土交通省新千歳空港事務所や
全日空によりますと、
19日午前11時56分ごろ、
秋田発新千歳行きの
全日空1831便、ボンバルディアDHC
8型機が
新千歳空港に
着陸したあと、
滑走路から
誘導路に
出ようとした
際、
曲がりきれずにそのまま
進んで
滑走路を
逸脱し、
周辺に
積もった
雪に
突っ込んで
動けなくなりました。
乗客・乗員合わせて25人が乗っていましたが、けが人などはおらず、乗客全員が午後1時ごろに機体を下りて、用意されたバスで空港ターミナルに向かいました。
また、このトラブルで2つある滑走路のうちB滑走路が閉鎖されていて、発着便に欠航や遅れが出ています。空港事務所は機体をけん引するため、現在、除雪作業を行っています。
全日空によりますと、機長は「誘導路に出ようとした際、路面が凍結していて曲がりきれなかった」と話しているということです。
新千歳空港では19日午前0時ごろの降り始めから午前11時までに13センチのまとまった雪が降ったため、未明から断続的に滑走路を閉鎖して除雪作業が行われていました。
航空事故調査官を派遣
新千歳空港に着陸した全日空機が滑走路を逸脱したことについて、国の運輸安全委員会は、事故につながりかねない重大なトラブルだとして、航空事故調査官5人を現地に派遣し、機長から話を聞くなどして、原因を詳しく調べることにしています。
当時の天候は
気象庁が新千歳空港に設置している新千歳航空測候所によりますと、当時、新千歳空港周辺の気温は氷点下2度で、弱い雪が降っていたものの、測候所周辺の視界は15キロと良好だったということです。また、当時は風速6.8メートルの北風が吹いていたということです。
滑走路の状態は
国土交通省によりますと、新千歳空港で全日空機が滑走路を逸脱したあと、滑走路の滑りやすさを測定したところ、6段階中、最もよい状態だったということで、当時、滑走路は問題なく運用できる状況だったということです。
乗っていた人「大きな衝撃なかった」
全日空機に乗っていた男性は「飛行機は着陸したあとしばらく走っていたので、雪で止まりにくいのかなと思いました。止まったときはそれほど大きな振動や衝撃は感じませんでした。しばらくしてからバスで乗客を運ぶなど機長から細かく対応を説明してもらえたので、大きな不安を感じることはありませんでした」と話していました。
目撃した人「目に見えるトラブルなかった」
新千歳空港を訪れていて全日空機が着陸してからオーバーランするまでの一部始終を目撃した野田雄大さんは「着陸して減速するまではスムーズに見えた。その後、本来は管制官の指示に従って途中で曲がらなければいけないのに、曲がらずにそのまま100メートルほど直進して雪が積もっているところに進んでしまった。オイルが漏れたりプロペラが折れたりするような目に見えるトラブルが出ているようには見えなかった」と話しています。
DHC8型機とは
ボンバルディアDHC8型機は、カナダに本社があるボンバルディア社が製造する双発のプロペラ機で、全長およそ33メートル、翼の端から端までの長さがおよそ28メートルあります。国内では、全日空や日本航空グループが地方の路線を中心に運航していて、このうち全日空は21機保有しているということです。