トランプしん政権せいけん TPP離脱りだつ方針ほうしん表明ひょうめい

Easy Japanese news
Jan 21, 2017 03:01
Furigana
トランプしん政権せいけんホワイトハウスのホームページで政策せいさく課題かだいのひとつとして通商つうしょう政策せいさくをとりあげ、TPP=環太平洋かんたいへいようパートナーシップ協定きょうていから離脱りだつするとあきらかにしました。協定きょうてい発効はっこうには、アメリカ承認しょうにんかせず、去年きょねん日本にっぽんふくいちか国かこく署名しょめいしたTPP協定きょうてい発効はっこうのめどがたなくなりました。トランプしん政権せいけんはホワイトハウスのホームページで、政策せいさく課題かだいのひとつとして通商つうしょう政策せいさくりあげ、TPP=環太平洋かんたいへいようパートナーシップ協定きょうていから離脱りだつするとあきらかにしました。TPP協定きょうていをめぐっては、去年きょねん2月にがつ日本にっぽんやアメリカなどいちか国かこく署名しょめいし、各国かっこく国内こくない承認しょうにん手続てつづきがすすめられていました。

協定きょうてい発効はっこうには、アメリカの承認しょうにんかせない仕組しくみになっていて、今回こんかい、アメリカが正式せいしき離脱りだつあきらかにしたことでTPP協定きょうてい発効はっこうのめどがたなくなりました。トランプしん大統領だいとうりょうは、TPPのわりに、アメリカの国益こくえき反映はんえいさせやすいこくかん経済けいざい連携れんけい協定きょうてい交渉こうしょうすすめたいかんがえです。

ただ、アメリカきで中国ちゅうごく日本にっぽん参加さんかしているRCEP=アジアひがしあじあ地域ちいき包括ほうかつてき経済けいざい連携れんけい交渉こうしょうすすめられるなど、アジアでアメリカの存在そんざいかんうすまる可能かのうせいがあります。また、トランプしん大統領だいとうりょう貿易ぼうえき赤字あかじふくらんでいる中国ちゅうごくに対にたいして、輸入ゆにゅうひんたか関税かんぜいをかけるかまえをせるなど、中国ちゅうごくとの貿易ぼうえき摩擦まさつつよまるおそれもあり、自国じこく利益りえきさい優先ゆうせんにする保護ほご主義しゅぎてき通商つうしょう政策せいさくは、世界せかい貿易ぼうえき低迷ていめいまねくとする懸念けねんています。

日本にっぽん通商つうしょう戦略せんりゃくおおきな影響えいきょう

トランプしん政権せいけんが、TPP=環太平洋かんたいへいようパートナーシップ協定きょうていから離脱りだつするとあきらかにしたことで、日本にっぽん通商つうしょう戦略せんりゃくおおきな影響えいきょうけそうです。TPPが発効はっこうするためには、加盟かめいいちか国かこくGDPじ-でぃ-ぴ-国内こくないそう生産せいさんはち以上いじょうめるすくなくともろくか国かこく以上いじょう国内こくない手続てつづきをえる必要ひつようがあります。

このうち、アメリカが全体ぜんたいGDPじ-でぃ-ぴ-のおよそろくぜろ%をめるため、トランプしん政権せいけんがTPPからの離脱りだつ正式せいしきあきらかにしたことで、発効はっこうのめどがたなくなりました。ほかの加盟かめいこくからは、アメリカをのぞいちいちか国かこく協定きょうてい発効はっこうさせるべきだという意見いけんていますが、その場合ばあいいちいちか国かこくさい協議きょうぎする必要ひつようがあります。

日本にっぽん政府せいふないでは、TPPは経済けいざい規模きぼおおきいアメリカの参加さんか前提ぜんていに、各国かっこく一定いってい譲歩じょうほをして合意ごういしたことから、アメリカがければいちいちか国かこく協定きょうていあらたにりまとめることはむずかしいという意見いけん大勢たいせいです。このため日本にっぽん政府せいふは、トランプしん政権せいけん議会ぎかい関係かんけいしゃに対にたいし、粘り強ねばりづよくTPPの意義いぎ説明せつめいして、国内こくない手続てつづきをすすめるようはたらきかけていく方針ほうしんわりありません。

一方いっぽう、トランプ大統領だいとうりょうは、これまで通商つうしょう交渉こうしょうはTPPのような多国たこくかんではなく、こくかんすすめるという方針ほうしんしめしていて、今後こんご日本にっぽんに対にたいしてもこくかん交渉こうしょうおうじるようもとめてくる可能かのうせいもあります。日本にっぽん政府せいふとしては、あくまでTPPを優先ゆうせんすべきだとしていますが、安全あんぜん保障ほしょうなど幅広はばひろ分野ぶんや協力きょうりょく関係かんけいにあるアメリカに対にたいし、みずからの主張しゅちょうつらぬけるか不透明ふとうめいです。

トランプしん政権せいけん貿易ぼうえき政策せいさく

トランプしん大統領だいとうりょう就任しゅうにんまえから、アメリカ国内こくない雇用こよううばわれるとして、TPPについて離脱りだつするかんがえをしめしていたほか、NAFTAなふたについても見直みなおかんがえをしめし、アメリカへの輸出ゆしゅつ関税かんぜいがかからないメキシコ工場こうじょう移転いてんするうごきをきびしく批判ひはんしていて、その矛先ほこさきトヨタ自動車とよたじどうしゃなど外国がいこくのメーカーにもけられていました。こうしたトランプ保護ほご主義しゅぎてき政策せいさくは、貿易ぼうえき相手あいてこく企業きぎょうなどからの反発はんぱつまね可能かのうせいがあります。

トランプしん大統領だいとうりょう今月こんげついちいちにち大統領だいとうりょう選挙せんきょのあとはじめてひらいた会見かいけんで、「国境こっきょうえて、アメリカでろうとすれば、たかい『国境こっきょうぜい』を支払しはらうことになる」とべました。この「国境こっきょうぜい」をめぐっては、国外こくがい移転いてんした工場こうじょうから輸入ゆにゅうされる製品せいひんたか関税かんぜいをかけるあんと、法人ほうじんぜい見直みなおして企業きぎょう輸出ゆしゅつするさいぜい負担ふたんかるくする一方いっぽう輸入ゆにゅうには課税かぜい強化きょうかするあんふたつのあん浮上ふじょうしています。

共和党きょうわとう提案ていあんしている法人ほうじんぜい見直みなおあんに対にたいして、トランプしん大統領だいとうりょうは「複雑ふくざつすぎる」と批判ひはんしていますが、専門せんもんではいずれのあん自由じゆう貿易ぼうえきのルールにはんするという指摘してきもあります。また、トランプしん大統領だいとうりょうは、大統領だいとうりょう就任しゅうにんもこうした圧力あつりょく企業きぎょうにかけつづけることで、国内こくない雇用こようやす方針ほうしん引き出ひきだそうとするのではないかと専門せんもんもいます。

ピーターソン国際こくさい経済けいざい研究所けんきゅうじょのゲイリー・ハフバウアー上級じょうきゅう研究けんきゅういんは、「トランプ企業きぎょうへの“おどし”は、ビジネスマンとしてのかれのテクニックだ。商務しょうむ長官ちょうかん指名しめいしたロス通商つうしょう代表だいひょう指名しめいしたライトハイザーにも、外国がいこく政府せいふ交渉こうしょうするときに、交渉こうしょう武器ぶきとして“おどし”を使つかってほしいとトランプのぞんでいる」とはなしています。

為替かわせ政策せいさくにも注目ちゅうもく

アメリカは「つよいドル」が国益こくえきにかなうという為替かわせ政策せいさくをとってきましたが、トランプしん大統領だいとうりょうは、為替かわせ政策せいさくをめぐって、アメリカのメディアのインタビューで、「ドルはつよすぎる」と警戒けいかいかんしめしたことから、どのような為替かわせ政策せいさくをとるのか注目ちゅうもくされています。

発言はつげんは、中国ちゅうごくとの貿易ぼうえき念頭ねんとうにおいたもので、日本にっぽん名指なざししたものではありませんが、えん相場そうば一時いちじいちドル・いちいちえんだいとおよそいちか月かげつはんぶりのえんだかドルやす水準すいじゅんにまで値上ねあがりしました。トランプしん大統領だいとうりょう経済けいざい政策せいさくでアメリカ経済けいざい上向うわむくとの期待きたいからすすんだドルだか変化へんかきつつあります。

トランプしん大統領だいとうりょうは、選挙せんきょ期間きかんちゅうから、貿易ぼうえき赤字あかじふくらんでいる中国ちゅうごく為替かわせ政策せいさく批判ひはんしてきました。アメリカのメディアのインタビューでは、しん大統領だいとうりょうは、「中国ちゅうごく自国じこく通貨つうか意図いとてきやすくし、アメリカ企業きぎょう競争きょうそうりょくそこなわれている」とべました。そのうえで、中国ちゅうごくを「為替かわせ操作そうさこく」に認定にんていするかどうか、「まずは中国ちゅうごくがわ協議きょうぎする」としています。

えん相場そうばおおきく影響えいきょうするアメリカの為替かわせ政策せいさくは、トランプしん政権せいけん中国ちゅうごくとの外交がいこう貿易ぼうえき政策せいさくをめぐる交渉こうしょう行方ゆくえ左右さゆうされることになりそうです。

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