日銀は、
長期金利の
上昇を
抑えるため、
3日、
事前に
指定した
利回りで
国債を
無制限に
買い入れる「
指値オペ」と
呼ばれる
措置を、
2か月半ぶりに
実施しました。
日銀は、
去年9月に
行った
金融緩和策の
見直しで、
新たに
長期金利の
誘導目標を
設け、
現在は
満期までの
期間が
10年の
国債の
利回りで
0%程度としています。
国債の市場では、このところアメリカのトランプ大統領が掲げる経済政策への期待感から国債が売られて長期金利が上昇傾向にあったため、日銀は3日午前、当初の予定よりおよそ400億円多い4500億円分の国債を買い入れました。
しかし、市場では、金利の上昇を抑えるには不十分だとの受け止めから国債を売る動きが続き、期間10年の国債の利回りは一時、およそ1年ぶりに0.15%まで上昇しました。
このため、日銀は3日午後、事前に指定した利回りで市場から国債を無制限に買い入れて金利の上昇を抑える「指値オペ」を、およそ2か月半ぶりに実施しました。
今回は、利回りを0.11%と市場の水準より低く、つまり、高い値段で買い入れるよう設定し、応札した金融機関から合わせて7239億円分の国債を買い入れることになりました。
国債の市場では日銀が午後0時半に「指値オペ」の実施を発表した直後から一転して国債を買う動きが強まり、長期金利は0.1%程度まで低下しています。
日銀総裁 適切な金利水準について言及避ける
長期金利が上昇傾向にあることに関連して、日銀の黒田総裁は、3日午後の衆議院予算委員会で、「日銀は満期が10年の国債の利回りを0%程度とする誘導目標を掲げているが、マーケットの変動要因で金利が上昇したとしてもなにがなんでもゼロに持っていくのか」と問われたのに対し、「2%の物価安定目標を達成するために最も適切と考えられる金利のカーブの形成を促すことにしている」と述べ、適切な金利水準について直接の言及を避けました。
そのうえで、現在0%程度としている長期金利の誘導目標については、「現状では、2%の物価安定目標になお距離があるので、現在の方針の下で強力な金融緩和を推進していくことが適切だ」と述べました。