北朝鮮の
キム・ジョンウン(
金正恩)
朝鮮労働党委員長の
兄、キム・ジョンナム(金正男)
氏が
猛毒のVXで
殺害された
事件で、
マレーシアの
副首相は、
警察が
拘束するための
令状をとった
北朝鮮国営の
航空会社の
職員は、
北朝鮮大使館の
中にいて、
在外公館の
特権を
定めた
国際条約で
守られていることから、
拘束は
容易ではないという
見通しを
示しました。
マレーシア警察は
3日、
北朝鮮国営の
コリョ航空の
職員、
キム・ウギル容疑者(
37)に「
捜査への
協力を
求める
必要がある」として、
拘束するための
令状をとりました。
警察によりますと、キム容疑者は北朝鮮大使館のヒョン・グァンソン2等書記官とともに、事件の当日、クアラルンプール国際空港の監視カメラに写っていたということで、警察は2人から事情を聴きたいとしてきましたが北朝鮮大使館は協力を拒否していました。
マレーシアのザヒド副首相は3日、記者会見で、キム容疑者の拘束の見通しについて問われ、「大使館などの施設の中にいるかぎりは、外交的なルールに従わなければならない」と述べキム容疑者はヒョン2等書記官とともに、大使館の中にいるという認識を明らかにしました。
また、大使館などの在外公館には大使の同意がないかぎり、現地の国の当局が立ち入ることができないと定める国際条約があるため、キム容疑者の拘束は容易ではないという見通しを示しました。
この事件では、主導的な役割を果たしたとみられる北朝鮮国籍の4人の男がすでに北朝鮮に帰国し、警察が拘束していた唯一の北朝鮮国籍の人物も3日に釈放され、国外退去になりました。
警察としては、マレーシア国内に残るキム容疑者を拘束することで、行き詰まっている捜査の突破口にしたい考えですが、外交特権の壁が立ちはだかる形となっています。