この中で二階幹事長が、現在、最長で「連続2期6年まで」となっている総裁の任期を、「連続3期9年まで」に延長することを提案し、了承され、正式に党則を改正することになりました。
これにより、現在2期目の安倍総理大臣は、来年9月に予定されている総裁選挙に立候補できることになりました。
このあと安倍総理大臣は演説し、「去年の参議院選挙で、27年ぶりに、単独過半数を回復したが、1度失った信頼を取り戻すには、四半世紀以上の年月が必要だということだ。この緊張感を片ときたりとも忘れず、謙虚に力強く挑戦し続けていきたい」と述べました。
そのうえで安倍総理大臣は、ことしが憲法施行から70年となることに触れ、「未来を見据え、次なる70年を見据えて、新たな国づくりにとりかからなければならない」と述べました。
そして憲法改正について、「自民党が、憲法改正の発議に向けて具体的な議論をリードしていくことこそが、戦後一貫して日本の背骨を担ってきた自民党の歴史的使命だ」と述べ、憲法改正の実現への意欲を重ねて示しました。
一方、来賓として出席した公明党の山口代表は、「政治の安定こそが、内外の諸課題にこたえる、ただ1つの確実な道だ。政権の安定を図ることは容易ではなく、あくまでも国民の期待に謙虚にこたえる誠実な営みが要求される。自公政権が長きにわたっていることを、かみしめながら、国民の負託にこたえていきたい」と述べました。
二階氏 安倍総理のあとは安倍総理
自民党の二階幹事長は記者団に対し、「安倍総理大臣に対し、国内外から、お褒めの言葉はあっても、ご批判をいただくことはない。私の本心は、『安倍総理大臣のあとは、安倍総理大臣』ということだ」と述べ、来年の総裁選挙での安倍総理大臣の再選が望ましいという考えを重ねて示しました。
また、二階氏は、憲法改正について、「党全体で広く議論を巻き起こし推進していくことを、安倍総理大臣が宣言した。われわれも、慎重に、立派な結果になるよう、崇高な理想に基づいて、一致団結して努力していきたい」と述べました。
石破氏 無投票はよくない
自民党の石破前地方創生担当大臣は記者団に対し、「次の総裁選挙に必ず出るということを、前の年から言うべきではないが、前回が無投票で、次回も無投票というのは、党にとって決していいことではない。さまざまな政策について、総裁選挙で論争になり、決着した結果に、皆が協力をするというのが本来の自民党だ」と述べました。
小泉氏「自信がみなぎっている」
自民党の小泉進次郎元復興政務官は記者団に対し、「安倍総理大臣は自信がみなぎっている。野党に批判だけでなく対案を示してこいというだけでなく、自民党内にもかかってこいという自信を感じた。総裁任期の延長で、若手が台頭できないということはなく、議員一人一人の覚悟だ。あまりに執行部が強いから、おかしいと思っても声を上げない空気をぶち破りたい」と述べました。
岸田外相 政治家として努力
岸田外務大臣は記者団に対し、「総裁任期の延長は、党内で十分議論して決めたことであり、党則のもと、頑張っていきたい」と述べました。そのうえで、岸田大臣は、来年の総裁選挙へのみずからの対応について、「今現在は、安倍内閣の閣僚の1人として仕事をしているので、それに専念するだけだ。そのうえで、来年、再来年、何が起こるかわからず、心して政治家として努力していきたい」と述べました。
茂木氏 支持ある総裁は続投を
自民党の茂木政務調査会長は記者団に対し、「安倍総理大臣のもと、日本をさらに前に進めていきたいという気持ちを新たにした。今の日本にとって、政権の安定が非常に重要で、国民の支持のある総裁、総理であれば、しっかりと続けてもらうことは党員も共感していると思う」と述べました。
志位委員長 改憲ありきは本末転倒
共産党の志位委員長は那覇市で記者会見し、「とにかく改憲のレールに国民を乗せようという執念が表れていると思うが、憲法のどの条文をどう変えるかは一切ない。『改憲、先にありき』というやり方は、本末転倒の議論だ。私たちは、憲法の全条項を守り、憲法いかした日本をつくるという抜本的な対案を持って、大いに対峙(たいじ)していきたい」と述べました。