5日に
長野県松本市の
山の
斜面に、
山岳遭難の
救助訓練をしていた
県の
防災ヘリコプターが
墜落し、
乗っていた
9人全員が
死亡した
事故で、
全員の
身元が
確認されました。
警察は
今後、ヘリコプターが
墜落した
原因を
調べることにしています。
5日午後3時すぎ、
長野県松本市入山辺にある、
標高およそ
1900メートルの鉢伏山の
斜面に、
山岳遭難の
救助訓練をしていた
県の
防災ヘリコプターが
墜落し、
乗っていた
9人全員が
死亡しました。
警察によりますと、死亡した9人はいずれも長野県消防防災航空隊に所属していて、パイロットで松本市に住む岩田正滋さん(56)、いずれも消防隊員で松本市に住む伊熊直人さん(35)、上田市に住む甲田道昭さん(40)、松本市に住む伊藤渉さん(35)、松本市に住む高嶋典俊さん(37)。同じくいずれも消防隊員で松本市に住む大工原正治さん(42)、松本市に住む瀧澤忠宏さん(47)、塩尻市に住む小口浩さん(42)、それに整備士の松本市に住む清水亮太さん(45)です。
この事故では、5日に3人の死亡が確認され、6日に警察や消防などが捜索を行った結果、墜落した機体の中から6人が発見され、死亡が確認されました。
墜落したのは「ベル412EP」型のヘリコプターで、これまでに山岳遭難や山火事などで多数出動していて、先月、法律に基づいて行われた点検では異常はなかったということです。
警察は、ヘリコプターが墜落した原因を調べることにしています。
阿部知事「無念としか言いようがない」
長野県の阿部知事は、ヘリコプターに乗っていた9人全員が死亡したことについて「人命救助に全力をあげてきた9人の隊員全員が死亡するという残念な結果になってしまい、無念としか言いようがない。改めてお亡くなりになった方のご冥福を祈るとともに、家族には謹んでお悔やみを申し上げたい」と述べました。
そのうえで「今回の事故では、対応に特段の問題があったという情報は入っていないが、これから国の運輸安全委員会の調査や、警察の捜査に全面的に協力し、事故原因の究明に協力していきたい」と述べました。
ヘリコプターによる事故では、平成2年9月に企業の社員を送迎していた民間のヘリコプターが宮崎県日向市の山に墜落して、乗っていた10人が死亡しています。
国の運輸安全委員会の資料などによりますと、9人が亡くなった今回の事故は、自衛隊やアメリカ軍機の事故を除いては、この事故に次いで平成に入って2番目に多いということです。