起死きし回生かいせいの“タマゴサンド”

30分ふんで150パック売り切うりきれ

平日へいじつの正午しょうごに行列ぎょうれつを作つくっている人ひとたち。その数すう15人にん。お目当めあては…。

厚あつさ5センチのタマゴサンドです。タマゴをふんだんに使つかった分厚ぶあついサンド。1パック2切きれ入いりで350円えんです。

この日ひは、販売はんばい開始かいし後ご30分ふんで150パックが売り切うりきれ。週末しゅうまつには250パックが数すう十じゅう分ふんで売り切うりきれると言いいます。

購入こうにゅうした人ひとは…

「ネットで見みて調しらべてきてタマゴサンドが食たべたい、おいしそうっていうのを写真しゃしんで見みたんで」

「（いくつ買かった？）4パック．みんなで食たべます。愛媛えひめ県けんの松山まつやまから来きました。ネットで調しらべておいしそうだなと思おもって」

評判ひょうばんのタマゴサンドを販売はんばいしているのは自社じしゃで養鶏ようけい場じょうももつ、卵たまごの卸売おろしうり業者ぎょうしゃです。毎日まいにち、20万まん個この卵たまごを卸売おろしうりするとともに、卵たまごを使つかったさまざまな加工かこう食品しょくひんも作つくってきました。

それが、たまご焼やきや茶ちゃわん蒸むしです。こうした商品しょうひんを飲食いんしょく店てんやホテル向むけに販売はんばいしてきましたが、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで、外食がいしょく需要じゅようが減へり、ことし3月つきから5月つきにかけて、月つきに200万まん円えんも売り上うりあげが減へりました。

“逆ぎゃくにチャンス”

社長しゃちょうの阪本さかもと晃あきら好よしみさんは当時とうじ、相当そうとうな危機きき感かんを持もっていましたが、逆ぎゃくに今いままでやれなかったことをやるチャンスにも感かんじたと言いいます。

（卵たまご卸売おろしうり会社かいしゃ 阪本さかもと晃あきら好こう社長しゃちょう）

「危機きき感かんは相当そうとうありました。これから売うれなくなるんじゃないかというのもあったんですけど、逆ぎゃくに、まあ逆境ぎゃっきょうが来きて、この会社かいしゃを変かえるチャンスだなと思おもって」

そこで始はじめたのが、直売ちょくばい所しょでした。水島みずしま臨海りんかい工業こうぎょう地帯ちたいに隣接りんせつする工場こうじょうの敷地しきち内ないで個人こじん向むけに卵たまごやたまご焼やきなどの販売はんばいを始はじめたのです。

その主力しゅりょく商品しょうひんとして新あらたに開発かいはつしたのが、分厚ぶあついタマゴサンドでした。

「映はえる」を意識いしき

自社じしゃで生産せいさんした新鮮しんせんな卵たまごをたっぷりと使つかい、“インスタ映はえ”を意識いしきして、ほかにはない厚あつさにこだわって作つくりました。

そのねらいは大当おおあたり。ボリューム感かんが「映はえる」と話題わだいを呼よびました。

直売ちょくばい所しょは毎日まいにち行列ぎょうれつ。ほかの商品しょうひんもどんどん売うれ始はじめ、直売ちょくばい所しょの売り上うりあげは、先月せんげつ350万まん円えんほどと赤字あかじ分ぶんを挽回ばんかいできるようになったのです。

コラボで新あらたな商品しょうひん開発かいはつ

いま、阪本さかもと社長しゃちょうは、コロナ禍かで一時いちじ売り上うりあげが半分はんぶんにまで落ち込おちこんだ近所きんじょの食品しょくひん加工かこう会社かいしゃと新あらたな商品しょうひん開発かいはつも始はじめています。

それが自社じしゃのニワトリと、食品しょくひん加工かこう会社かいしゃのカレーをコラボした親しん鶏にわとりカレーです。タマゴサンドの人気にんきにのって、こうしたコラボ商品しょうひんも直売ちょくばい所しょで販売はんばいし、ともにコロナ禍かを乗り越のりこえたい考かんがえです。

（加工かこう食品しょくひん会社かいしゃ 綾田あやた高正たかまさ 代表だいひょう取締役とりしまりやく）

「非常ひじょうにありがたいですね。一時いちじは（売り上うりあげが）半分はんぶん以下いかぐらいになりましたし（影響えいきょうが）かなり大おおきかったですね」

（卵たまご卸売おろしうり会社かいしゃ 阪本さかもと晃あきら好こう社長しゃちょう）

「いままでやりたかったけどできなかったことを、工場こうじょう直売ちょくばい所しょができたので今いま一気いっきにできているような感かんじはあります。急きゅうに来きたこの逆境ぎゃっきょうに対にたいして、シフトチェンジできたっていうのは、ふだんから準備じゅんびしてた結果けっかなんじゃないかと。もともとSNSをやってたりとか、1つの助たすけになったかなと思おもっています」

業務ぎょうむ用ようから個人こじん向むけへのシフトチェンジ。

阪本さかもと社長しゃちょうは、今後こんごも商品しょうひん開発かいはつを続つづけ、次つぎなるヒットをねらっているということです。