今回の強盗事件で、被害にあった30代の女性が取材に応じました。
女性によりますと、26日午前10時半ごろインターホンが鳴り、モニターで確認すると宅配業者のような服を着て段ボールを抱えた男が写っていて「宅配便です」と話したため、マンションの入り口のオートロックを解除したということです。
その後、部屋のドアの鍵を開けて待っていたこところもう一人の男も現れて、2人は「金を持っているだろう」などと言って、無理やり中に押し入ってきたということです。
女性は「宅配で受け取る予定の荷物があったこともあり、何も疑わずに玄関を開けてしまった。抵抗したら殺されるかもしれないと思いパニック状態だった」と話していました。
2人のうち1人が女性を見張っている間にもう1人が室内を物色し、現金およそ600万円を見つけると20分ほどで逃走したということです。
女性は「気をつけなければと思っていたのに、まさか自分がこうした被害にあうとは思ってもいなかった。このマンションはセキュリティがしっかりしていると思っていたので、安心してドアを開けてしまった面もある。家に現金を保管しているなんて他人に話したことがないのに、どこで知ったのかと思うと本当に怖い」と話していました。
タワマン防犯 専門家は
オートロックのタワーマンションで起きた強盗事件。
防犯対策を指導している「ステップ総合研究所」所長の清永奈穂さんに対策を聞きました。
まず、事件現場となったタワーマンションについて、清永さんはマンションの出入り口が交番もある大通りから一本入った裏側にあり、目立たずに侵入しやすいと指摘していました。
また、出入り口が限られたオートロックのマンションの場合、関係者しか入れずに安心だと思われがちですが、一度不審者に侵入されると、逃げ場がない密室状態となり、襲われる危険性が高まるといいます。
それでは、オートロックのマンションでどうやって被害を防げばよいのか実践できる方法を教えてもらいました。
まず、インターフォンで訪問者の社員証などを確認し、所属を明らかにしてもらい、事前に訪問の予定が無ければ、所属先に電話するなどして確認することが重要です。
また、届け物は宅配ボックスやドアの前に置いてもらうなどして相手と対面しなくてすむようにするほか、サインが必要など、どうしても玄関のドアを開けなければいけない場合はチェーンをつけた状態で開いてやり取りすることで、侵入を防げるということです。
清永さんは「宅配便やガスの点検などの制服を着ている人には警戒心を解いてしまいがちですが、所属先に確認できない場合は対応する必要はありません。確認するために待たせては失礼だとは思わずに、自分の身は自分で守ることを心がけて何重にも予防線をはることが大事です。また、SNSなどに財産や住居に関する情報を発信しないように気をつけてほしいです」と話していました。