マクロン大統領だいとうりょうは日本にっぽん時間じかんの29日にち午前ごぜん4時じから国民こくみんに向むけてテレビ演説えんぜつを行おこない「今いま、感染かんせん拡大かくだいにブレーキをかけないと病院びょういんはすぐにいっぱいになり医師いしは助たすける患者かんじゃを選えらばなければならなくなる」と述のべて現状げんじょうに強つよい危機きき感かんを示しめしました。

そのうえで今月こんげつ30日にちから12月つき1日にちまでの1か月かげつ余あまり、全国ぜんこく一律いちりつで通勤つうきんや健康けんこう上じょうの理由りゆうなどを除のぞく外出がいしゅつを制限せいげんすると発表はっぴょうしました。

生活せいかつ必需ひつじゅ品ひんを取り扱とりあつかう店みせ以外いがいは営業えいぎょうができなくなるほか、飲食いんしょく店てんは閉鎖へいさされます。詳細しょうさいは29日にちに明あきらかにするとしています。

外出がいしゅつ制限せいげんはことしの春はる以来いらい、5か月かげつ半はんぶりとなります。ただ、春はるとは異ことなり、小学校しょうがっこうや中学校ちゅうがっこうは休校きゅうこうにしませんでした。一方いっぽうで大学だいがくなどの高等こうとう教育きょういく機関きかんについてはオンラインの授業じゅぎょうしか認みとめないとしています。

フランスでは2か月かげつ近ちかくに及およんだ春はるの外出がいしゅつ制限せいげんで経済けいざいが深刻しんこくな打撃だげきを受うけていて、マクロン大統領だいとうりょうは「経済けいざいが止とまり崩壊ほうかいしてはいけない」と述のべ、外出がいしゅつ制限せいげんの中なかでも製造せいぞう業ぎょうや農業のうぎょう、建設けんせつ業ぎょうなどは続つづくと強調きょうちょうしました。

フランス政府せいふはこれまで経済けいざいへの影響えいきょうを少すくなくするため夜間やかんの外出がいしゅつ禁止きんしなどより緩ゆるやかな措置そちで乗り切のりきろうとしてきましたが、感染かんせん拡大かくだいに歯止はどめがかからず規制きせいのさらなる強化きょうかに踏み切ふみきる結果けっかとなりました。

パリの飲食いんしょく店員てんいん「本当ほんとうに厳きびしい」

パリ南部なんぶの飲食いんしょく店てんでは店員てんいんや食事しょくじに訪おとずれた人ひとたちがマクロン大統領だいとうりょうのテレビ演説えんぜつを見守みまもり、全国ぜんこく一律いちりつの外出がいしゅつ制限せいげんとなることが発表はっぴょうされると、店内てんないからは小ちいさな悲鳴ひめいのような声こえやため息ためいきが聞きかれました。

店員てんいんの男性だんせいは「今後こんごどのように収入しゅうにゅうを得えられるのかわからず本当ほんとうに厳きびしいです。1回かい目めの外出がいしゅつ制限せいげんが終おわってからも売り上うりあげは50％ぐらいにしか戻もどっておらず、こんな状況じょうきょうで再ふたたび外出がいしゅつ制限せいげんになるのは最悪さいあくです。今後こんごのことは、あす、ほかの店員てんいんたちと話し合はなしあいます」と話はなしていました。

また、客きゃくの女性じょせいは「また外出がいしゅつ制限せいげんになるなんて悔くやしいです。レストランやバーがたくさん潰つぶれてなくなってしまうのではないかと心配しんぱいです」と話はなしていました。

感染かんせん 急速きゅうそく拡大かくだいの現状げんじょうと背景はいけいは

フランスでは夏なつのバカンスの時期じきにあたることし8月つきごろから新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが再ふたたび拡大かくだいし始はじめました。1日にち当あたりの感染かんせん者しゃは7月つきには多おおくても1000人にん前後ぜんごでしたが、今月こんげつに入はいって2万まん人にん、3万まん人にんと増ふえ、今月こんげつ25日にちには5万まん2000人にんを超こえました。感染かんせん者しゃは今月こんげつだけで60万まん人にん以上いじょう増ふえ、ヨーロッパで最もっとも多おおくなっています。

感染かんせん拡大かくだいとともに急速きゅうそくに増ふえているのが重症じゅうしょう化かして集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつに運はこばれる人ひとです。集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつに占しめる新型しんがたコロナウイルスの患者かんじゃの割合わりあいは一時いちじは10％を切きっていましたが、今月こんげつ27日にちの時点じてんで60％近ちかくにまで迫せまり、医療いりょう現場げんばへの負担ふたんが増ましています。今月こんげつ27日にちにはウイルスへの感染かんせんで500人にんを超こえる人ひとが死亡しぼうし、ことし4月並つきなみの水準すいじゅんとなっています。

感染かんせんが再ふたたび広ひろがった背景はいけいの一ひとつとして指摘してきされているのが、予防よぼう策さくの徹底てってい不足ふそくです。フランスでは公共こうきょうの場ばでのマスクの着用ちゃくようは広ひろがりましたが、フランス公衆こうしゅう衛生えいせい局きょくの意識いしき調査ちょうさでは、厳きびしい外出がいしゅつ制限せいげんが終おわった直後ちょくごのことし5月つき中旬ちゅうじゅんには70％以上いじょうが人ひとと集あつまることを避さけていたのに対にたいし、9月つき中旬ちゅうじゅんにはその割合わりあいは32％余あまりと大幅おおはばに低ひくくなりました。中なかでも18歳さいから24歳さいの若者わかものは22％にとどまっています。