中国が、
周辺海域で
監視を
行う中国海警局の
任務などを
定めた
法律の
草案の
中で、
武器を
使用できるとしていることについて、
南シナ海で
中国と
領有権を
争うベトナムの
外務省は「
争いは
平和的な
方法で
解決することを
支持する」として、
懸念を
示しました。
中国の
立法機関、
全人代=
全国人民代表大会が
公表した「
海警法」の
草案では、
中国海警
局は
管轄する
海域で
違法に
活動し
停船命令などに
従わない
外国の
船舶には、
武器を
使用できるとしています。
また、「人工島や施設の安全を守るために必要な措置をとる」という文言もあり、南シナ海で軍事拠点化を進めている島を念頭にしているものとみられます。
これについて、ベトナム外務省のナム副報道官は5日の記者会見で、中国と領有権を争っている南シナ海の島の名前を挙げたうえで、「ベトナムには主権を主張できる歴史的な根拠がある」と述べ、中国をけん制しました。
そのうえで、「ベトナムは、すべての争いは国際法にしたがって平和的な方法で解決することを支持する」と述べ、懸念を示しました。
南シナ海をめぐってベトナムは、ことし4月、中国海警局の船と衝突したベトナム漁船が沈没したことや、中国が南シナ海の島々に行政区を設置したり、軍事演習を実施したりするなど活動を活発化させていることに警戒を強めています。
このため、ベトナムは、国際社会との連携強化を進めていて、今月12日から開催されるASEAN=東南アジア諸国連合の一連の首脳会議でも、南シナ海の問題について各国と意見を交わすものとみられます。