なかでも昭和48年に生まれたテンポイントは、昭和52年の春の天皇賞と有馬記念で優勝し、くり毛の美しい馬体と額から伸びる白いもようから「流星の貴公子」と呼ばれ人気を集めました。
牧場では、最盛期には100頭近くの競走馬を所有していましたが、近年は、社長を務める吉田晴雄さん(76)が持病を抱えていたほか、先月、きゅう舎が全焼する火事で繁殖馬5頭すべてが死んだことから生産活動を終えることを決めたということです。
現在、競走馬として育てている5頭のうち、4頭はことし夏と秋の競り市に上場し、残りの1頭は知人のきゅう舎に預けるということです。吉田さんは「馬を育てる仕事は天職でした。体力があればもう少し続けたかったが、今が引き際だと思います。多くの人に応援してもらい感謝したいです」と話していました。
吉田牧場にはテンポイントの墓があり、墓参りに訪れる人の受け入れは続けることにしています。
吉田さんは「テンポイントほど多くのファンに愛された馬はいません。りりしい姿で、いつも大きなレースですばらしい走りを見せてくれました」と話していました。
テンポイントとは
テンポイントは、昭和48年4月に当時の北海道早来町、今の安平町にある吉田牧場で生まれました。昭和50年にデビューし、春の天皇賞や有馬記念で優勝するなど通算で18戦11勝の成績を収めました。
なかでも昭和52年の有馬記念は、テンポイントがトウショウボーイとスタートからゴールまで人気馬どうしで競り合った末に優勝し、競馬史に残る名勝負として語り継がれています。また、テンポイントはくり毛の美しい馬体と額から伸びる白いもようから「流星の貴公子」と呼ばれていました。