ゴッホの「ひまわり」にスープかける 2人を逮捕絵画は無事 - Easy News

イギリス、ロンドンの美術館びじゅつかん、ナショナル・ギャラリーで、ゴッホの代表だいひょう作さく「ひまわり」にトマトスープをかける騒さわぎがあり、環境かんきょう活動かつどう家か2人にんが逮捕たいほされました。絵画かいがはガラスに覆おおわれていたため無事ぶじだったということです。

ロンドン警視庁けいしちょうなどによりますと、14日にち、ロンドンの美術館びじゅつかん、ナショナル・ギャラリーでオランダの画家がかゴッホの代表だいひょう作さく「ひまわり」に、環境かんきょう活動かつどう家か2人にんがトマトスープをかける騒さわぎがありました。

2人にんは、駆かけつけた警察官けいさつかんに器物きぶつ損壊そんかいなどの疑うたがいで逮捕たいほされました。

額縁がくぶちに若干じゃっかんの損傷そんしょうがあったものの、絵画かいがはガラスで覆おおわれていたため、無事ぶじだったということです。

現地げんちメディアの映像えいぞうには、2人にんの女おんなが、手てにそれぞれトマトスープの缶かんを持もち、中身なかみを一気いっきに絵画かいがにかける様子ようすが映うつっていて、このうち1人にんが「絵画かいがと、地球ちきゅうと人々ひとびとの命いのちを守まもること、どちらが大切たいせつなのか」などと叫さけんでいます。

逮捕たいほされた2人にんが所属しょぞくする環境かんきょう団体だんたいは、イギリス政府せいふに化石かせき燃料ねんりょうへの投資とうしなどをやめるよう訴うったえていて、これは抗議こうぎの一環いっかんだと主張しゅちょうしています。

ナショナル・ギャラリーによりますと、「ひまわり」は現在げんざい、元もとの展示てんじ場所ばしょに戻もどされているということです。

有名ゆうめい絵画かいが標的ひょうてきに気候きこう変動へんどう対策たいさくの必要ひつよう性せい訴うったえる抗議こうぎ活動かつどう相次あいつぐ

今回こんかいのように有名ゆうめいな絵画かいがを標的ひょうてきにして気候きこう変動へんどう対策たいさくの必要ひつよう性せいを訴うったえる抗議こうぎ活動かつどうはヨーロッパで相次あいついでいます。

ことし5月つきにはパリのルーブル美術館る-ぶるびじゅつかんで、環境かんきょう活動かつどう家かとみられる男おとこが名画めいが「モナリザ」にケーキを塗り付ぬりつけたほか、7月つきにはイタリアでも環境かんきょう保護ほご団体だんたいのメンバーが接着せっちゃく剤ざいを使つかってボッティチェリの「春はる」に手てを貼はり付つける抗議こうぎ活動かつどうを行おこないました。

いずれの作品さくひんもガラスで保護ほごされていたため、作品さくひん自体じたいに被害ひがいはありませんでした。

ゴッホの「ひまわり」にトマトスープをかけた2人にんが所属しょぞくする団体だんたいは、絵画かいがを標的ひょうてきにした理由りゆうについて「市民しみん社会しゃかいが崩壊ほうかいしたら芸術げいじゅつは何なにの役に立やくにたつのか。芸術げいじゅつを楽たのしむ世界せかいに生いきたいのなら、アーティストや芸術げいじゅつを愛あいする市民しみんは抗議こうぎ活動かつどうに踏み出ふみだす必要ひつようがある」としています。

専門せんもん家か「行動こうどう非常ひじょうに過激かげき化か」

環境かんきょうと哲学てつがくが専門せんもんで環境かんきょう保護ほご団体だんたいの抗議こうぎ活動かつどうに詳くわしい明星みょうじょう大学だいがくの浜野はまの喬たかし士し准じゅん教授きょうじゅは「行動こうどうが非常ひじょうに過激かげき化かしていると感かんじる。ゴッホの絵えを汚けがすという行動こうどうは社会しゃかいの共感きょうかんは得えられず、ほとんどの人ひとが嫌悪けんお感かんを抱いだく行動こうどうだと思おもう。ただ、SNSなどでは限定げんてい的てきなフォロワーの間まで共感きょうかんの声こえが寄よせられるとあたかも世界せかいから称賛しょうさんされているかのように感かんじる『エコーチェンバー効果こうか』のようなことが起おこる怖こわさがある」と指摘してきしました。

浜野はまの准じゅん教授きょうじゅによりますと今回こんかいのように環境かんきょう運動うんどうを理由りゆうに過激かげきな行動こうどうを取とる事件じけんは「エコテロリズム」と呼よばれ、世界せかい的てきに問題もんだいになっているということです。

浜野はまの准じゅん教授きょうじゅは「こうした事件じけんが起おこることで環境かんきょう運動うんどうはこんな極端きょくたんな人ひとたちがいるのでついていけないなどと感かんじさせてしまうおそれがあり中ちゅう長期ちょうき的てきに考かんがえてもいいものではない。環境かんきょう運動うんどうに取り組とりくんでいる人ひとたちの間までも『こういうやり方やりかたは間違まちがっていて共感きょうかんは生うまない』などと声明せいめいを出だすなど、しっかりと議論ぎろんされる必要ひつようがあると思おもう」と話はなしていました。