5歳さいから11歳さいの子こどものワクチンと同様どうように従来じゅうらい型がたのウイルスをもとにしたワクチンで、オミクロン株かぶをもとにした成分せいぶんも含ふくんだワクチンではありません。

全額ぜんがく公費こうひで負担ふたんされるため、無料むりょうで接種せっしゅできます。

1回かい目めの接種せっしゅから3週間しゅうかんあけて2回かい目めを接種せっしゅし、その後そのご少すくなくとも8週間しゅうかんあけて3回かい目めを接種せっしゅするとされています。

原則げんそくとして、市町村しちょうそんから接種せっしゅ券けんが届とどき、小児しょうに科かのクリニックなどで個別こべつ接種せっしゅとなりますが、自治体じちたいによっては集団しゅうだん接種せっしゅの会場かいじょうを設もうけるところもあります。

ただ強制きょうせいされたり罰則ばっそくがあったりすることはなく、ワクチンを接種せっしゅするかどうかはあくまで本人ほんにんと保護ほご者しゃが自分じぶんたちで決きめることになっています。

プラセボを接種せっしゅした351人にんのうち、その後そのご感染かんせんしたのは21人にん（2022年ねん6月つき17日にち時点じてん）で、3回かい接種せっしゅ後ごの発症はっしょうを予防よぼうする効果こうかは73.2％だったということです。

重症じゅうしょう化かをどの程度ていど防ふせぐかについては、ワクチン接種せっしゅ後ごの感染かんせん者しゃが少すくなく、分析ぶんせきする上うえで十分じゅうぶんなデータがありません。

▽38度ど以上いじょうの発熱はつねつがあった人ひとが1回かい目めの接種せっしゅで5.2％、2回かい目めで4.9％、3回かい目めで5.1％

▽けん怠けんたい感かんが1回かい目めの接種せっしゅで29.7％、2回かい目めで25.7％、3回かい目めで24.5％

▽おう吐おうとが1回かい目めの接種せっしゅで3.0％、2回かい目めで3.4％、3回かい目めで1.6％

▽下痢げりが1回かい目めの接種せっしゅで7.7％、2回かい目めで6.7％、3回かい目めで5.1％などとなっています。

▽38度ど以上いじょうの発熱はつねつが1回かい目めの接種せっしゅで7.2％、2回かい目めで7.4％、3回かい目めで6.8％

▽食欲しょくよくの減退げんたいが1回かい目めの接種せっしゅで22.2％、2回かい目めで22.2％、3回かい目めで20.2％

▽いらいらして機嫌きげんが悪わるくなった子こどもが1回かい目めの接種せっしゅで51.2％、2回かい目めで47.4％、3回かい目めで43.6％などとなっています。

北里きたざと大学だいがくの中山なかやま特とく任にん教授きょうじゅは「10代だいや20代だいの男性だんせいと比くらべると、幼おさない子こどもがワクチン接種せっしゅ後ごに心筋しんきん炎えんや心こころ膜まく炎えんになる頻度ひんどは極きわめて低ひくい。またほとんどの場合ばあい軽症けいしょうで、回復かいふくしている。一方いっぽうで、新型しんがたコロナに感染かんせんして心筋しんきん炎えんになる頻度ひんどは、ワクチン接種せっしゅ後ごに心筋しんきん炎えんになる頻度ひんどよりはるかに高たかく、感染かんせんした子こどもが心筋しんきん炎えんで死亡しぼうする事例じれいも報告ほうこくされている」と指摘してきしています。

ただし、ワクチンを接種せっしゅしたあと数すう日にち以内いないに、呼吸こきゅうが苦くるしそうだったり、胸むねの痛いたみを訴うったえたりするなど、心筋しんきん炎えんや心こころ膜まく炎えんを疑うたがう症状しょうじょうが出でた場合ばあいは、すぐに医療いりょう機関きかんを受診じゅしんしてほしいとしています。

「mRNA」はたんぱく質たんぱくしつを合成ごうせいする「設計せっけい図ず」となる遺伝いでん情報じょうほうで、これを注射ちゅうしゃすることで体内たいないの細胞さいぼうでウイルスのたんぱく質たんぱくしつの一部いちぶが作つくられ、抗体こうたいをはじめとした免疫めんえきができる仕組しくみです。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、この「mRNA」は体内たいないで数すう分ふんから数すう日にちで分解ぶんかいされます。

また「mRNA」はヒトの遺伝いでん情報じょうほうであるDNAに組み込くみこまれることはありません。

体からだの中なかではDNAからmRNAが作つくられる仕組しくみがありますが情報じょうほうの流ながれは一方いっぽう通行つうこうで、逆ぎゃくにmRNAからDNAはつくられません。

このため「mRNA」を注射ちゅうしゃしても、その情報じょうほうが長期ちょうき的てきに残のこったり、精子せいしや卵子らんしの遺伝いでん情報じょうほうに取り込とりこまれたりすることはないと考かんがえられています。

各国かっこくの接種せっしゅ率りつは

▽アメリカでは少すくなくとも1回かい接種せっしゅした人ひとが2歳さいから4歳さいで8％、2歳さい未満みまんでは5.2％となっています（2022年ねん10月つき13日にち時点じてん）

▽カナダでは少すくなくとも1回かい接種せっしゅした人ひとが6.5％、3回かいの接種せっしゅを終おえた人ひとが1.0％となっています（2022年ねん10月つき9日にち時点じてん）

しかしオミクロン株かぶが流行りゅうこうするようになってからは、感染かんせんする子こどもの数かずが増加ぞうかしていて、それに伴ともなって亡なくなったり重症じゅうしょう化かしたりする子こどもが増ふえています。

4歳さい以下いかで亡なくなったのは14人にんで、このうち6人にんは基礎きそ疾患しっかんのない子こどもでした。

年齢ねんれい別べつにみると▽1歳さい未満みまんが15％、▽1歳さい以上いじょうの未み就学しゅうがく児じが43.6％、▽小学生しょうがくせいが32.7％、▽中学生ちゅうがくせいが4.1％、▽高校生こうこうせい以上いじょうが4.5％となっていて、小学校しょうがっこう入学にゅうがく前まえの子こどもが全体ぜんたいのおよそ6割わりを占しめています。

また症状しょうじょうが重おもくなった人ひとの詳くわしい症状しょうじょうを調しらべた結果けっか、脳のうがむくんで意識いしきに障害しょうがいが出でるなどする「急性きゅうせい脳症のうしょう」や、肺炎はいえん、けいれんの割合わりあいが高たかかったということです。

複数ふくすうのワクチンを接種せっしゅする場合ばあいの優先ゆうせん順位じゅんいについて、新潟にいがた大学だいがくの齋藤さいとう教授きょうじゅは「子こどもの定期ていき接種せっしゅに指定していされているワクチンはすでに接種せっしゅの時期じきが決きめられているので、まずはそちらを優先ゆうせんしてもらいたい。その定期ていき接種せっしゅの2週間しゅうかんより前まえ、あるいは2週間しゅうかんより後のちに、新型しんがたコロナのワクチンをうまく組み込くみこんで接種せっしゅするのがよいのではないか」と話はなしています。

「生後せいご6か月かげつから4歳さいの子こどもたちは、いわゆる感染かんせん対策たいさくがなかなかできない年齢ねんれいです。マスクもきちんと着用ちゃくようできないし、十分じゅうぶんな手洗てあらいや手先てさきの消毒しょうどくを自主じしゅ的てきにするのは困難こんなんです。こうした中なかで、唯一ゆいいつできる積極せっきょく的てきな予防よぼうがワクチン接種せっしゅになります。他たの対策たいさくができない分ぶん、ワクチン接種せっしゅによって発症はっしょうを防ふせぎ、万が一まんがいちの重症じゅうしょう化かを防ふせぐことが大切たいせつです」

「新型しんがたコロナのワクチンに限かぎらず、肺炎はいえん球菌きゅうきんや、麻ましん風ふうしんのワクチンなど、子こどもたちはいろんなワクチンを接種せっしゅすることによって、健康けんこうな日常にちじょう生活せいかつを送おくることができています。新型しんがたコロナのワクチンもそれと同おなじように考かんがえればよいと思おもいます。ワクチンを打うつデメリットとして副ふく反応はんのうのことがある。一方いっぽうで、ワクチンを打うたなかった場合ばあいのデメリットとして、感染かんせんしたら重おもい脳症のうしょうや心筋しんきん炎えんなどの合併症がっぺいしょうにかかり亡なくなるおそれもある。そうしたバランスをよく考かんがえて科学かがく的てきに判断はんだんしてもらいたいです」