食物しょくもつアレルギー治療ちりょう臨床りんしょう研究けんきゅう どもが一時いちじ心肺しんぱい停止ていし

Easy Japanese news
Nov 14, 2017 15:11
Furigana
横浜よこはまにある病院びょういんで、食物しょくもつアレルギーを治療ちりょうする臨床りんしょう研究けんきゅう参加さんかしていたどもが、おもいアレルギー症状しょうじょうこして一時いちじ心肺しんぱい停止ていしして治療ちりょうけていることがわかりました。病院びょういんは「最善さいぜん努力どりょくをもって対応たいおうしていく」としていて、専門せんもん学会がっかいおなじような事例じれいこっていないか、全国ぜんこく医療いりょう機関きかん対象たいしょう緊急きんきゅう調査ちょうさをはじめました。食物しょくもつアレルギーでは、原因げんいんとなる食べ物たべものすこしずつべることでなおす「経口けいこう免疫めんえき療法りょうほう」という治療ちりょうほうがあり、横浜よこはまにある神奈川かながわ県立けんりつこども医療いりょうセンターでは、患者かんじゃぜろぜろにんに対にたいして入院にゅういんさせて安全あんぜん管理かんりした状態じょうたいでアレルギーの原因げんいん食べ物たべもの摂取せっしゅりょう徐々じょじょやし、退院たいいん一定いっていりょう摂取せっしゅつづける「急速きゅうそくほう」とばれる臨床りんしょう研究けんきゅうおこなっていました。

病院びょういんによりますと、ことし、この臨床りんしょう研究けんきゅう参加さんかしていた牛乳ぎゅうにゅうアレルギーのどもが、入院にゅういん医師いし指導しどうのもと、自宅じたく牛乳ぎゅうにゅうつづけていましたが、およそさんか月かげつ経過けいかして牛乳ぎゅうにゅうんだ直後ちょくごおもいアレルギー症状しょうじょうがあらわれ、一時いちじ心肺しんぱい停止ていししてのう障害しょうがいて、現在げんざい治療ちりょうつづけているということです。

病院びょういんは、臨床りんしょう研究けんきゅう参加さんかしているほかの患者かんじゃに対にたいし、変化へんかがあればすぐに連絡れんらくするよう注意ちゅういうながすとともに、緊急きんきゅう対処たいしょほうあらためて周知しゅうちしたうえで、「患者かんじゃさま・ご家族かぞくさまのおこころさっするにあまりあるものがあります。この事態じたいりうる最善さいぜん努力どりょくをもって対応たいおうしてまいります」としています。

また、専門医せんもんいつく日本にっぽん小児しょうにアレルギー学会がっかいにも報告ほうこくされ、学会がっかいでは、食物しょくもつアレルギーの診療しんりょうおこなっている全国ぜんこくさんさんぜろ医療いりょう機関きかん対象たいしょうに、治療ちりょう実際じっさい食べ物たべものべておこな検査けんさなどの過程かていで、おも症状しょうじょう事例じれいがないか緊急きんきゅう調査ちょうさをはじめました。

調査ちょうさおこな国立こくりつ病院びょういん機構きこう相模原さがみはら病院びょういん海老えびさわ元宏もとひろ医師いしは「どれくらいじゅうあつし事案じあん発生はっせいしているのかその実態じったいはよくわかっておらず、調査ちょうさを通をつうじてどこに問題もんだいがあったのかやけられることなのかなどを検討けんとうしたい。臨床りんしょう研究けんきゅうおこな施設しせつにはあらためて安全あんぜん担保たんぽしたうえで取り組とりくんでもらいたい」としています。

緊急きんきゅう調査ちょうさねら

今回こんかい緊急きんきゅう調査ちょうさでは、医療いりょう機関きかんじゅうあつし症状しょうじょうがでたケースがどれくらいあるのか、実態じったい把握はあくすることにくわ原因げんいんさぐって、安全あんぜんせい追求ついきゅうしようというものです。

調査ちょうさでは、全国ぜんこくさんさんぜろ医療いりょう機関きかん対象たいしょう呼吸こきゅう困難こんなんになるなど、気道きどう確保かくほする緊急きんきゅう対応たいおう必要ひつようになったケースや、集中しゅうちゅう治療ちりょうしつ治療ちりょうおこなったケース、それに、のう障害しょうがいなどおも症状しょうじょうにいたったケースなどを聞き取ききとります。

また、後遺症こういしょうのこったかどうかも調査ちょうさし、それぞれのケースの共通きょうつうてんなどから、原因げんいん検討けんとうしていくということです。

調査ちょうさ担当たんとうする国立こくりつ病院びょういん機構きこう相模原さがみはら病院びょういん海老えびさわ元宏もとひろ医師いしは、「こうした治療ちりょう安全あんぜんせいたかめていく方策ほうさく模索もさくしてる段階だんかいで、研究けんきゅうてき取り組とりくみだ。この調査ちょうさ実施じっしによって食物しょくもつアレルギー診療しんりょうかかわるすべての医療いりょう従事じゅうじしゃじゅうあつしなアレルギー症状しょうじょうることがあるということを共通きょうつう認識にんしきとしてってほしい」と指摘してきしています。

専門せんもん

国立こくりつ病院びょういん機構きこう相模原さがみはら病院びょういん海老えびさわ元宏もとひろ医師いしは、「経口けいこう免疫めんえき療法りょうほう」をけている患者かんじゃに対にたいしては、この治療ちりょうほうでは症状しょうじょうないようにより安全あんぜんりょうおこなうなどのさまざまな方法ほうほうがあり、不安ふあんかんじる場合ばあいは、あらためて治療ちりょう安全あんぜんせいについて、医師いし相談そうだんしてほしいとしています。

また、「栄養えいよう食事しょくじ指導しどう」をけている患者かんじゃについて、アレルギー原因げんいんとなる食べ物たべもの完全かんぜん除去じょきょは、ぎゃくにアレルギーを重症じゅうしょうさせてしまうおそれなどが指摘してきされていることから、これまでどおり、医師いし指導しどうけながら必要ひつよう最小さいしょうげん除去じょきょこころがけてほしいとしています。

食物しょくもつアレルギーの管理かんり治療ちりょうほう

食物しょくもつアレルギーは、たまご牛乳ぎゅうにゅう、それに小麦こむぎなどの食べ物たべもの摂取せっしゅすることで皮膚ひふ呼吸こきゅうなどのさまざまなところにアレルギーの症状しょうじょうがあらわれるものです。

発症はっしょうする患者かんじゃかず年齢ねんれいぜろさいときもっとおおく、その後そのご成長せいちょうともなって低下ていかするとされていて、過去かこ研究けんきゅうでは、乳児にゅうじ%からいちぜろ%に食物しょくもつアレルギーの症状しょうじょうたと報告ほうこくされています。

そして、成長せいちょうするのにともなって自然しぜんによくなるひともいて、それまでの医師いしなどによる「栄養えいよう食事しょくじ指導しどう」という方法ほうほう一般いっぱんてきおこなわれています。

この方法ほうほうでは、アレルギーの原因げんいんとなる食べ物たべもの症状しょうじょうりょう以上いじょう摂取せっしゅしないようにして、不足ふそくする栄養えいようなどについては、指導しどうけてべつ食材しょくざいおぎなうようにします。

一方いっぽう食物しょくもつアレルギーを積極せっきょくてき治療ちりょうする方法ほうほうとしてこころみられているのが、「経口けいこう免疫めんえき療法りょうほう」とばれる治療ちりょうほうです。

成長せいちょう過程かていでアレルギーの症状しょうじょう早期そうきによくなることが期待きたいできない患者かんじゃに対にたいしておこなわれるもので、すこしずつべるりょうやしながら耐性たいせいをつけ、症状しょうじょうさずに上限じょうげんやしていく方法ほうほうです。

専門せんもんによりますと、「経口けいこう免疫めんえき療法りょうほう」は世界せかいでも日本にっぽん先進せんしんてき取り組とりくんでいる治療ちりょうほうで、ねんまえ平成へいせいななねん時点じてん全国ぜんこくでおよそはちぜろぜろぜろにん患者かんじゃがこの治療ちりょうほうけているという報告ほうこくがあります。

この治療ちりょうほうなかにはべるりょうやすはじめの段階だんかいで、ゆっくりとりょうやす「緩徐かんじょほう」や急激きゅうげきやす「急速きゅうそくほう」など複数ふくすう方法ほうほうがあるとされています。

日本にっぽん小児しょうにアレルギー学会がっかい診療しんりょうガイドラインでは、一部いちぶ症例しょうれい効果こうかがあるとする一方いっぽう治療ちりょうちゅう全身ぜんしん症状しょうじょうアナフィラキシーなどのじゅうあつし症状しょうじょうることがあるほか、治療ちりょうわったあとに症状しょうじょう場合ばあいもあるなどの問題もんだいがあるとされ、一般いっぱん診療しんりょうとしては推奨すいしょうされていません。

このため学会がっかいでは、この治療ちりょうほうおこな場合ばあいは、食物しょくもつアレルギー診療しんりょう熟知じゅくちした専門医せんもんいおこなうことや、症状しょうじょう場合ばあい救急きゅうきゅう対応たいおう準備じゅんびをしっかりとっていることなどを条件じょうけん臨床りんしょう研究けんきゅうとして慎重しんちょうおこなうことをもとめています。

5
4
3
2
1