京都大学の
山中伸弥教授の
研究グループが、
ヒトの
細胞からiPS
細胞を
作り出したと
世界で
初めて
発表してから
21日で
10年になります。
iPS細胞を
使った
再生医療はすでに
一部で
始まるなど、
医療応用への
動きが
本格化しています。
京都大学の
山中伸弥教授の
研究グループは、
10年前の
平成19年11月21日、ヒトの
皮膚の
細胞に
4つの遺伝子を
導入してiPS
細胞を
作り出すことに
成功したと
世界で
初めて
発表しました。
これをきっかけに、iPS細胞を使って医療に応用する競争が始まり、日本はこの分野でリードしようと研究を支援してきました。
このうち、神戸市にある理化学研究所などのグループは3年前、iPS細胞を使った重い目の病気の再生医療を世界で初めて実施し、すでに6例が行われています。
また、ことし9月には、京都大学などのグループがiPS細胞を使って筋肉の組織が骨になる難病の薬の候補物質を見つけ出し、現在、患者に投与する世界初の臨床試験が開始されています。
国内ではほかにも大阪大学や慶応大学で重い心臓病や脊髄を損傷した患者を対象にした再生医療の臨床研究が計画されるなど、医療への応用に向けた取り組みが本格化しています。
この10年について、山中教授は「研究成果が実際に患者に届いて治療になるためには、さまざまなハードルを越えなければならず、ここからが正念場です。患者の安全性を最優先にしながら、1日も早く新しい医療を届けたい」とコメントしています。