先月2日に閉幕したラグビーワールドカップで、日本代表は優勝候補の一角のアイルランドや強豪のスコットランドから歴史的な勝利を挙げ、史上初となるベスト8を達成しました。
11日は東京・丸の内に日本代表の31人のうち28人の選手たちが集まり、正午すぎからファンへの感謝を込めてパレードを行いました。
最初にキャプテンのリーチ マイケル選手が「初めてのベスト8進出を実現できたのはたくさんの勇気を送ってくれたみなさんのおかげです。日本中がワンチームになったことがすごくうれしいです。これから日本のラグビーがもっと強くなるように、楽しい試合や感動を与える試合ができるように頑張りたい」とあいさつしました。
このあと選手たちは、5つのグループに分かれて有楽町電気ビル前をスタートし、笑顔で手を振ったり、写真を撮ったりしながら丸の内仲通りのおよそ700メートルをゆっくりと歩きました。
このうち、スクラムハーフの田中史朗選手は、感極まった様子で涙を流していました。
主催者側によりますと、パレードにはファンなどおよそ5万人が集まり、選手たちに「ありがとう」と声をかけたり、手を振ったりしていました。
パレードを見に来たファンは
沿道には大勢のファンが詰めかけ、選手たちに「ありがとう」と声をかけたり手を振ったりしていました。
神奈川県から訪れた小学6年生の男の子は「アイルランド戦の福岡選手の逆転トライが記憶に残っています。ワールドカップはすごく感動したのでもう一度見たいです。選手たちには『お疲れ様でした』と声をかけたいです」と話しました。
また、仕事を休んで朝6時半から訪れたという埼玉県の会社員の男性は「フォワードの頑張りやベスト8という結果がすばらしかったです。感動しました。稲垣選手に『ガッキー、お疲れさま』と言いたいです」と話しました。
新潟県の会社員の女性は「きのうの夜、仕事が終わってから新幹線で来て1泊しました。日本代表の選手たちがパレードするのは最後と思って絶対見ないと後悔すると思って来ました」と話していました。
「ラグビーの楽しさ教えてもらった」
朝7時から訪れた都内の50代の夫婦は、最前列で『皆さんのおかげでラグビーが好きになりました。ありがとう!!』と書いた紙を掲げて選手を見守りました。
このうち男性は「ありがとうを伝えたかった。にわかファンですがラグビーの楽しさを教えてもらった。感謝しかないです」と話しました。
女性は「リーチ マイケル選手が、離れた所から見ても大きくてかっこよかった。田中史朗選手が泣いていて、もらい泣きしてしまいました」と話していました。
日本代表のジャージ姿の7か月の子どもと訪れた都内の30代の女性は「試合は生で見ることができなかったのでパレードを見に来ました。みんなで一緒に選手を見て感動を共有できてよかったです」とうれしそうに話しました。
また、父親に肩車をされてパレードを見た都内の4歳の女の子は「パパ、ママは見られなかったので、私が代わりに見ました。堀江翔太選手が大好きです。楽しかったです」と話し、家族3人で笑い合っていました。
キャプテン リーチ選手「感謝の気持ち伝えられ、うれしい」
パレードのあと、キャプテンのリーチ マイケル選手は「想像以上にたくさんの人が来てびっくりした。感謝の気持ちを伝えることができてうれしい。この日をすごく楽しみにしていて日本代表のみんなに久しぶりに会って楽しかった」と振り返りました。
そのうえで「日本代表は4年後、上位をねらえるチームになる。個人的には出られるように頑張りたい」と今後の目標を語りました。
稲垣選手「緊張して1回も笑わなかった」
稲垣啓太選手は「平日にもかかわらずこれだけの人が集まってくれて感謝の気持ちしかない。一つ一つのことばが温かくて、これから日本ラグビーの発展のために頑張っていかないといけない」と話していました。
稲垣選手は「笑わない男」として知られていますが、「パレード中に『笑って』と何百回も言われたが、緊張して固くなって1回も笑わなかった」と話していました。
松島選手「スタジアムのような一体感」
松島幸太朗選手は「スタジアムのような一体感があって楽しかった。『ありがとう』ということばをもらって感謝されていると感じた。僕もありがとうと言いたい。日本代表は強くなっていかないといけないという気持ちがさらに出てきた」と話していました。
福岡選手「たくさんの応援に改めて気付いた」
福岡堅樹選手は「たくさんの人に応援をしていただいたと改めて気付かせてもらえるすばらしい機会だった」と振り返りました。
福岡選手は7人制で争われる来年の東京オリンピックを最後に現役を引退する意思を表明していて、今後については「まだトップリーグにチャレンジするし、オリンピックも目指す。これからもラグビーが盛り上がっていくように頑張っていく」と話していました。
田中選手「今もありがとうと言ってもらえてうれしい」
田中史朗選手は「今もたくさんの人がありがとうと言ってくれるのがすごくうれしい。これが日本ラグビーの始まりでトップリーグも始まるので、これからもよろしくお願いします」と話していました。
田村選手「日本ラグビーはもっと発展していく」
田村優選手は「大会中の声援はすごく力になった。いろいろな方の協力でファンにお礼ができたのはいいことだと思う。ワールドカップは終わったが、日本のラグビーはもっともっと発展していくので、これからも一緒に楽しみましょう」と話していました。
堀江選手「感謝の気持ち伝えながら歩いた」
堀江翔太選手は「夢のようだった。ワールドカップには3大会出ているが、こんなことはなかったのですごいと思った。感謝の気持ちを伝えながら歩いた」と振り返りました。
そのうえで「見ているファンの方に何かを感じてもらえるような試合を毎回できたらいいと思う。引き続き応援をしてほしい」と話していました。
グ選手「これからもいいプレーをしたい」
グ・ジウォン選手は「想像よりもファンが来ていたのですごく緊張した。このメンバーで集まってうれしいし、またプレーしたいという気持ちが出てきた」と振り返りました。
そのうえで「日本に来た時から、いちばんの夢だったワールドカップに出て応援されたのは本当にうれしい。これからもがっかりさせないように準備をしていいプレーをしたい」と話しました。