乗客乗員180人近くを乗せたウクライナの旅客機がイランの空港を離陸後まもなく墜落した原因について、ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、自身のフェイスブックに「撃墜された可能性は排除しないが、今のところ確認はできていない」と投稿しました。
そのうえでゼレンスキー大統領は、10日、アメリカのポンペイオ国務長官と電話会談することを明らかにし、今後は、アメリカ、カナダ、それにイギリスの政府と墜落に関するデータを共有しながら、原因究明を急ぐ方針を示しました。
ゼレンスキー大統領は、9日にはイランのロウハニ大統領とも電話会談し、この中でロウハニ大統領は、客観的な調査のために協力することを約束したということです。
ウクライナ政府は、45人の専門家から成る調査チームを9日、イランに派遣し、すでに現地で活動を始めています。
専門家「ミサイル破片の痕跡か」
アメリカのメディアが放送した墜落した旅客機の映像について、航空自衛隊の元空将、永岩俊道さんは、詳細な状況が明らかになっておらず、わからないことが多いとしたうえで「エンジンの故障や突然の爆発では、機体にぽつぽつと痕跡ができる状況にはなりにくい」としています。
そのうえで、地対空ミサイルによる撃墜という指摘について「地対空ミサイルには、目標に接近してあたる前に爆発し、広い範囲にミサイルの破片を弾幕として広げ、被弾させる機能がある」としたうえで、今回の映像について「機体の表面のいろいろなところに飛散したものがあたったような状況があり、破裂したミサイルの破片でできた傷だと見ることができる。2014年にマレーシア航空の旅客機がウクライナ上空でミサイルに被弾して墜落した時の機体の状況と似ている」という見方を示しています。
また今後については「透明性を持ってより正確な原因究明がなされなければならない」と指摘しています。