イランの
軍がウクライナの
旅客機の
撃墜を
認めたことを
受けて、イラン
国内では
多くのイラン
人乗客が
犠牲になったにもかかわらず、
当初、
撃墜が
隠ぺいされたとして
抗議デモが
起きるなど
指導部への
批判が
高まっています。
今月8日、イランの
首都テヘラン
近郊の
空港を
出発したウクライナ
国際航空の
旅客機が
離陸の
直後に
墜落し
乗客乗員176
人全員が
死亡したことについて、イランの
軍統合参謀本部は、11
日、
一転して、
誤って
撃墜したことを
認めました。
革命防衛隊の航空部隊のハジザデ司令官は、イラン全土でアメリカからの攻撃に備えて防空システムの警戒レベルが最大限引き上げられる中、旅客機を敵の巡航ミサイルと誤認し、迎撃するためのミサイルが発射されたと説明しました。
これを受けて、イランでは、旅客機に乗っていた多くの自国民が犠牲になったにもかかわらず、当初、撃墜が隠ぺいされたとして指導部への批判が高まっていて、11日にはテヘランで抗議デモが行われました。
デモには、1000人以上が参加し、集まった人たちは、「独裁者に死を」などと叫び最高指導者のハメネイ師を非難していました。厳格なイスラム体制のイランで、最高指導者を公然と非難するのは異例のことです。
市民からは「政府は、何が起きていたか最初からわかっていたはずだ。最悪のうそをついた」といった声があがっていました。
アメリカとの関係が緊張していることに加えて、旅客機の撃墜に対する国内からの批判の高まりで、イラン指導部は厳しい状況に直面しています。
英首相「国際的な調査必要」
イギリス人を含む乗客乗員180人近くを乗せたウクライナの旅客機が墜落したことについてイラン軍が誤って撃墜したと認めたことを受け、イギリスのジョンソン首相が11日、声明を発表しました。
この中で、イランが撃墜を認めたことについて「重要な最初の一歩だ」としたうえで、「包括的かつ透明性が高く、独立した国際的な調査が必要だ」と指摘し、イラン政府に国際的な調査への協力を求めました。