台船に乗せられたモニュメントは17日朝5時すぎに横浜港近くから出発し、午前8時半ごろ、東京・港区のお台場海浜公園の海上に到着しました。
モニュメントは台船に乗せた状態でオリンピックが終わるまで設置され、17日中に、ダイバーが海底に置かれたコンクリートのブロックと台船をワイヤーでつないで固定する作業が完了する見込みです。
お台場からモニュメントを眺めると、背景にはレインボーブリッジや東京タワーを見ることができ、訪れた観光客などがスマートフォンで到着したばかりのモニュメントの写真を撮っていました。
大分県から旅行で訪れたという20代の女性は「いよいよ東京でオリンピックが開かれるんだと実感しました。水泳が楽しみです」と話していました。
東京都オリンピック・パラリンピック準備局の木村賢一事業推進課長は「モニュメントの設置はお台場が第1号ですが、春から大会に向けてシンボルやマスコットで街を装飾し、ワクワク感を高めていただきたい」と話していました。
モニュメントは、オリンピックの開幕半年前となる1週間後の今月24日から夜間、ライトアップされます。
建造した造船所の社長「ミリ単位で調整」
オリンピックシンボルのモニュメントは、去年8月からおよそ5か月間かけて、横浜市内の造船所で建造されました。
鉄製のモニュメントは、まず地上で、3つに分けて骨組みがつくられました。
そして、骨組みのまわりに鉄板がはり付けられました。
さらにクレーンを使って台船の上で合体させて、周囲に大がかりな足場が組まれました。
そして、塗装が施され、夜間にライトアップするためLEDのライトを取り付けたということです。
造船所の社長は「ゆがんでいびつな形にならないようミリ単位で調整して真円、完全な円をつくるのに苦労しました。巨大なモニュメントを手に乗せたような写真を撮って楽しむこともできますし、世界中の人にオリンピックを盛り上げてもらえればうれしいです」と話していました。
モニュメント 各地で展示へ
東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げようと、今後、大会シンボルのモニュメントやマスコットの展示が各地で予定されています。
オリンピックシンボルのモニュメントはことしの春には東京・八王子市の高尾山の山頂にも設置されます。
横3メートル、縦1.8メートルほどの大きさで、土台に多摩地域の木材を使い、背景には富士山を望むことができるということです。
そして、ことし6月からは、羽田空港と成田空港の国際線の到着ロビー、東京・渋谷区の代々木公園、東京・武蔵野市と三鷹市にまたがる井の頭公園にもモニュメントが設置されます。
これらのモニュメントはオリンピックが終わると、パラリンピックのシンボルに切り替わります。
さらに東京都庁や東京・台東区の上野公園、JR山手線の新駅の高輪ゲートウェイ駅などには大会マスコットの「ミライトワ」と「ソメイティ」の像も設置されます。
競技会場の周辺や利用者の多い空港や駅では、統一したデザインの旗や横断幕などで装飾する取り組みも行われる予定です。