中東地域への
自衛隊派遣で、
海上自衛隊の
護衛艦の
部隊が2
日午前、
神奈川県の
横須賀基地を
出港しました。
今回は、
防衛省設置法の「
調査・
研究」に
基づいて、
1年単位の
長期間にわたり、
自衛隊が
海外に
派遣される
初めての
ケースで、
今月下旬から
現地で
任務を
始める予定です。
派遣されるのは海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」で、2日午前、横須賀基地で、安倍総理大臣も出席して出発式が行われました。
この中で、派遣部隊の指揮官を務める稲葉洋介1等海佐が中東地域への出発を報告しました。
護衛艦は隊員が乗り込んだあと、午前10時半すぎ、家族らが見送る中、出港しました。
護衛艦にはヘリコプター2機を搭載し、部隊は隊員およそ200人で編成され、イランとアラビア半島の間にあるオマーン湾などで、日本に関係する船の安全を確保するために必要な情報収集にあたります。
今回の中東地域への派遣では、P3C哨戒機の部隊が先月からソマリア沖のアデン湾で、海賊対策の活動と並行して情報収集の任務にあたっています。
今回は、防衛省設置法の「調査・研究」に基づいて1年単位の長期間にわたり、海外に自衛隊が派遣される初めてのケースで、日本に関係する船が襲撃されるなど、不測の事態が発生した場合には、海上警備行動を発令して、対応するということです。
「たかなみ」は、今月下旬に現場海域に到着して、任務を始める予定です。
安倍首相が訓示「極めて大きな意義」
出発式で安倍総理大臣は派遣される隊員に訓示し「諸官がこれから赴く北アラビア海、オマーン湾は年間数千隻の日本関係船舶が航行し、わが国で消費する原油の約9割が通過する。日本国民の生活を支える、大動脈、命綱といえる海域だ。日本関係船舶の安全を確保することは、政府の重要な責務であり、そのために必要な情報収集を担う諸官の任務は、国民の生活に直結する極めて大きな意義を有する」と述べました。
そのうえで「わが国は米国と同盟関係にあり、同時に、イランを含む中東各国と長年良好な関係を築いてきている。イランのロウハニ大統領に自衛隊派遣について直接説明し、わが国の意図について理解を得た。今後も、こうした日本ならではの外交努力を尽くす」と述べ、引き続き、中東の緊張緩和に向けた外交努力に取り組む考えを示しました。
指揮官「教育訓練踏まえ必要な対応」
派遣部隊の指揮官を務める稲葉洋介1等海佐は2日、出港を前に、記者団に対し「しっかり準備をしてきたので、今回の任務に万全の態勢で臨めると思っている。日本船舶の安全確保のために情報収集活動をしっかりやっていきたい」と述べました。
そのうえで、不測の事態への対応については「事態や対象船舶によって対応できる内容が異なるが、それについてはしっかり教育訓練をしてきた。教育訓練を踏まえ必要な対応はやりたい」と述べました。