エムポックス（サル痘）ワクチン“接種せっしゅの7割わり以上いじょう 十分じゅうぶんな抗体こうたい”

国立こくりつ国際こくさい医療いりょう研究けんきゅうセンターの氏家うじいえ無限むげん医師いしらのグループは日本にっぽんの製薬せいやく会社かいしゃが天然痘てんねんとうのワクチンとして開発かいはつし、エムポックスに対にたいしても承認しょうにんされているワクチンを医療いりょう機関きかんの職員しょくいん50人にんに接種せっしゅして効果こうかと安全あんぜん性せいを確たしかめる臨床りんしょう研究けんきゅうを行おこないました。

それによりますと接種せっしゅ後ご抗体こうたいの量りょうは時間じかんとともに増ふえ、4週間しゅうかん後ごには7割わり以上いじょうの人ひとでウイルスの働はたらきを抑おさえるのに十分じゅうぶんな量りょうの抗体こうたいが検出けんしゅつされたということです。

また、重おもい副ふく反応はんのうは報告ほうこくされなかったということで研究けんきゅうグループは「効果こうかや安全あんぜん性せいが改あらためて確認かくにんされた」と結論けつろんづけています。

一方いっぽう、十分じゅうぶんな抗体こうたいを持もつ人ひとの割合わりあいは接種せっしゅから半年はんとし近ちかくたつと3割わり程度ていどまで減少げんしょうしたということで、研究けんきゅうを主導しゅどうした氏家うじいえ医師いしは「得えられた抗体こうたいの量りょうがどう推移すいいするか分わかったのは初はじめてで、効果こうかにどう影響えいきょうするのか検証けんしょうする必要ひつようがある」と話はなしています。

国内こくないのエムポックスの患者かんじゃは、今月こんげつ8日にちの時点じてんで累計るいけいで242人にんに上のぼっていて、グループは今後こんご、研究けんきゅうの対象たいしょう者しゃを増ふやし、免疫めんえきの働はたらきが低下ていかしているHIV＝ヒト免疫めんえき不全ふぜんウイルスの感染かんせん者しゃなどリスクが高たかい人ひとへの効果こうかも調しらべることにしています。

専門せんもん家か「感染かんせん・発症はっしょう防ふせぐ効果こうか 十分じゅうぶんにある」

この研究けんきゅうについてエムポックスに詳くわしい岡山おかやま理科りか大学だいがくの森川もりかわ茂しげる教授きょうじゅは「天然痘てんねんとうウイルスでのデータと比較ひかくしても、このワクチンにはエムポックスの感染かんせんや発症はっしょうを防ふせぐ効果こうかが十分じゅうぶんにあると考かんがえられるデータだ。時間じかんの経過けいかとともに減へる抗体こうたいを持続じぞくさせるためには、追加ついか接種せっしゅも必要ひつようになるのではないか」と話はなしています。