中国航空史上最悪となる132人の死者を出した2年前のボーイング737―800型旅客機墜落事故について、中国民用航空局(CAAC)は20日、これまでの調査結果を公表した。
中国民用航空局は今回も墜落原因には踏み込まず、原因解明の手がかりとなるブラックボックスのデータにも言及しなかった。これまでの調査結果と同様、出発前の機体にも乗員や天候にも問題は見つからなかったと強調している。
中国東方航空5735便は2022年3月21日、中国南西部の雲南省昆明市から南東部の広東省広州市へ向かう途中で墜落した。
中国国内では墜落原因をめぐる臆測が飛び交い、ブラックボックスの情報が公表されない理由を問いかける声も出ている。
22年4月の時点で中国民用航空局は、墜落機から回収した2個のブラックボックスは損傷が激しく、データ復旧と解析を進めているとしていた。
米紙ウォールストリート・ジャーナルが同年5月、米当局者の話として伝えたところによると、同機から回収されたブラックボックスのデータは米国家運輸安全委員会(NTSB)に送られ、解析の結果、コックピット内の人物が故意に墜落させたとの見方が浮上した。
一方、中国民用航空局は、同機の墜落が故意だったとの見方を否定。同年4月の記者会見で「そうしたうわさは重大な誤解を生じさせ、事故に対する調査を妨げてきた」と強調した。
調査は今後も継続される見通しだが、同機のシステムにも構造にもエンジンにも欠陥や異常はなかったとする今回の発表について、中国のSNSでは批判が噴出。「何もかも正常だったとすれば、機内の誰かが故意にやったか、突然の不可抗力のどちらかだ」というコメントがトップに浮上している。