旧統一教会への
解散命令請求をめぐり、
東京地方裁判所は「
多数の
被害者の
財産権や
人格権を
侵害する
違法行為が
繰り返されたとみられ、
法令違反の
疑いが
ある」と
指摘し、
質問権の
行使に
適切に
回答していないとして、
教団に
過料10
万円を
命じる決定を
出しました。
文部科学省はこれまで、解散命令請求を検討するために旧統一教会に質問権を7回行使し、報告を求めた500余りの項目のうち100項目以上で回答を拒否しているとして、行政罰の過料を科すよう東京地方裁判所に通知しました。
一方、教団側は「質問権の前提となる解散命令の要件を満たしておらず、質問権の行使自体が違法だ」などと反論していました。
東京地裁の鈴木謙也裁判長は26日、解散命令の要件となっている「法令違反」について「民法上の不法行為も含まれる」という初めての判断を示しました。
そのうえで教団や信者の責任を認めた22件の民事裁判の判決を踏まえ「信者が行った献金の勧誘などで不法行為が認定されていて、多数の被害者の財産権や人格権を侵害する違法な行為が繰り返されたとみられる。被害の総額は15億円を超えている。法令に違反し、公共の福祉を害した疑いがある」と指摘しました。
そして質問権の行使に対して適切に回答していないとして、教団の田中富広会長に過料10万円を命じる決定を出しました。
質問権をめぐって過料が命じられるのは初めてで、教団側は決定を不服として即時抗告するとみられます。
東京地方裁判所では文部科学省から教団への解散命令請求が出され、別に審理が続いていて、今回の過料の判断が影響するかどうか、注目されます。
旧統一教会「今後の対応を考える」
質問権の行使に適切に回答していないとして、過料10万円の支払いを命じる決定が出されたことについて、旧統一教会=世界平和統一家庭連合は「決定文の詳細を確認のうえ、今後の対応を考えてまいります」とコメントしています。
林官房長官「国の主張が認められた」
林官房長官は午後の記者会見で「文部科学大臣が行った報告徴収と質問権の行使に対して、旧統一教会が報告を行わなかったことへの国の主張が裁判所に認められたものと考えている。旧統一教会には、引き続き文部科学省が適切に対応する」と述べました。