アライグマの繁殖が問題になっているドイツで、駆除されたアライグマの肉で作ったソーセージなどの商品が人気を集めている。
猟師のミヒャエル・ライスさんは2022年、ベルリン西部のカーデに食肉店を開業。国際食品見本市で目立つ商品を考案しようと、アライグマ肉のアイデアを思い付いたという。CNNは10月30日、ライスさんに話を聞いた。
アライグマは害獣として駆除され、そのまま廃棄されている。そこでライスさんは、食材として加工したいと自治体に申請して許可を得た。
アライグマの肉だんご「ラクーンボール」は見本市でもライスさんの店でも大ヒットだった。間もなくネットでも販売するようになり、今ではサラミなど7種類のアライグマ肉商品を製造している。
「欧州でアライグマ肉を売っているのは我々だけ」とライスさんは胸を張る。「至る所から客が来る。中にはアライグマを試したくて日帰り旅行と組み合わせ、150キロも運転して来る人もいる」という。「評判は上々だ。まずいとか食べられないとか言う人はいない。みんなに好かれる」
味については「ほかの肉とそれほど変わらない。独特すぎる味もない。ほかの肉よりやや柔らかい」「2本のソーセージを食べたとして、どちらがアライグマか分からない。もし知らなければ違いに気づかないだろう」と説明した。
北米原産のアライグマは1920年代、毛皮用としてドイツに持ち込まれ、34年に野生に放たれた。以来、森林や草原だけでなく都市部でも繁殖して瞬く間に数が増え、今やドイツ国内の生息数は200万匹と推定されている。
生物多様性や絶滅危惧種に及ぼす影響も懸念され、ドイツのほぼ全州で狩猟が認められるようになった。しかしどう扱うかをめぐっては論議が続いている。