欧州中央銀行(ECB)は15日、政策金利を0.25%引き上げるとともに、来月も利上げを実施する方針を示唆した。通貨ユーロを使用する20カ国では緩やかな景気後退の証拠が見られるが、利上げを継続した。
ECBがインフレ対策の利上げを行うのは昨年7月以来8会合連続。今回の利上げにより、ユーロ圏のベンチマーク金利は2001年5月以降で最も高い3.5%になった。
米連邦準備制度理事会(FRB)は14日、10回連続で実施してきた利上げを停止する決定を下しており、ECBは異なる道を選んだ格好だ。
ECBも声明で「インフレは落ち着いてきているが、過度に長い期間、高過ぎる状況が続くと予想されている」と述べた。
ユーロ圏の5月の消費者物価は前年同月比6.1%増となり、ロシアのウクライナ侵攻で世界のエネルギー価格が高騰して以降、最も低い水準となった。
インフレは和らいでいるものの、ECBが目標とする2%はまだ大幅に上回っており、一部の価格圧力が持続することへの懸念が高まっている。