サッカーのブラジル代表は17日、スペインでの親善試合に全身黒のユニホームで出場した。サッカー界や社会全体から人種差別をなくそうと訴える運動の一環だ。
ブラジル代表はこの日、スペイン・バルセロナのスタジアムでギニア代表と対戦。前半45分は全員がシャツとパンツ、ソックスを黒でそろえたユニホームを初めて着用した。シャツの胸には、「人種差別があるなら試合はない」というスローガンが書かれていた。
ブラジル・サッカー連盟は17日の声明で、国際サッカー連盟(FIFA)の支持を受けた反人種差別運動のスローガンだと説明した。
ブラジル代表はハーフタイムの後で通常の黄色いユニホームに着替え、試合には4対1で勝利した。
この日、エースの背番号「10」を初めて背負った黒人のスター選手、FWビニシウスも1得点を挙げた。
ビニシウスは所属しているスペイン1部リーグのレアル・マドリードで、相手チームのサポーターらによる人種差別の標的となっている。ビニシウスが受けた差別行為の報告は、今シーズンすでに10件に上った。
FIFAのインファンティーノ会長は先週ブラジル代表を訪ね、反人種差別運動への全面的な支持を表明。FIFAが差別行為への対応策について選手らから意見を聞く委員会に、ビニシウスが参加するよう要請していた。
ブラジル代表は20日、ポルトガルの首都リスボンでセネガル代表と対戦する。