捜査関係者などによりますと、上りの特急電車が東京 調布市を走行中、3号車に乗っていた72歳の男性が突然、刃物で刺されました。
ほかの乗客は一斉に別の車両に逃げましたが、手に刃物を持った男は乗客たちを追いかけるように進行方向に移動し、5号車まで来たところでペットボトルに入れたライター用のオイルを車内にまき散らして火をつけたということです。
運転士や車掌がすぐに状況を把握できないまま電車は走り続け、その後、本来は止まらない駅で緊急停車し、乗客は窓からホームに降りて避難しました。
ナイフで刺された男性が全治およそ3か月の大けがをしたほか、放火された際に煙を吸うなどして多くの乗客がけがをしました。
殺人未遂の疑いでその場で逮捕されたのは、無職の服部恭太被告。
緑色のシャツにネクタイ、紫色のコート姿で、アメリカの人気映画「バットマン」に登場する悪役「ジョーカー」にふんし、警察官が駆けつけた際には右手に刃物を持ち、左手でたばこを吸って休んでいました。
逮捕後の調べに対し「仕事で失敗し、友人関係がうまくいかなかった」などと供述したということです。
2か月前には小田急線の車内でも乗客が切りつけられるなど面識のない人を無差別に巻き込む事件が相次ぎ、対策の必要性が浮き彫りになりました。