日銀にちぎん短観たんかん 大だい企業きぎょう製造せいぞう業ぎょうの景気けいき判断はんだん ＋13ポイント 2期きぶり改善かいぜん

日銀にちぎんの短観たんかんは国内こくないの企業きぎょう9000社しゃ余あまりに3か月かげつごとに景気けいきの現状げんじょうなどを尋たずねる調査ちょうさで、景気けいきが「良よい」と答こたえた企業きぎょうの割合わりあいから「悪わるい」と答こたえた企業きぎょうの割合わりあいを差し引さしひいた指数しすうで景気けいきを判断はんだんします。

今回こんかいの調査ちょうさは6月下げっか旬しゅんまでのおよそ1か月かげつ間かん行おこなわれ、大だい企業きぎょうの製造せいぞう業ぎょうの指数しすうはプラス13ポイントと、前回ぜんかい・ことし3月つきの調査ちょうさを2ポイント上回うわまわり、2期きぶりに改善かいぜんしました。

素材そざい関連かんれんの企業きぎょうの間まで価格かかく転嫁てんかが進展しんてんしたことや、AI向むけなどの需要じゅようの増加ぞうかで半導体はんどうたいの生産せいさんが回復かいふく傾向けいこうにあることが背景はいけいにあるとしています。

一方いっぽう、「鉄鋼てっこう」の景気けいき判断はんだんが悪化あっかしていて、中国ちゅうごく経済けいざいの減速げんそくや円えん安やすを背景はいけいにした原材料げんざいりょう価格かかくの上昇じょうしょうの影響えいきょうもうかがえます。

また、大だい企業きぎょうの非ひ製造せいぞう業ぎょうの指数しすうはプラス33ポイントと、引き続ひきつづき、高たかい水準すいじゅんとなったものの、前回ぜんかい調査ちょうさを1ポイント下回したまわり、2020年ねん6月つき以来いらい、16期きぶりに悪化あっかしました。

「小売こうり」が前回ぜんかいから12ポイント下さがったことなどが影響えいきょうしました。

3か月かげつ後ごの見通みとおしについては、大だい企業きぎょうの製造せいぞう業ぎょうが1ポイントの改善かいぜん、大だい企業きぎょうの非ひ製造せいぞう業ぎょうが6ポイントの悪化あっかを見込みこんでいます。

【解説かいせつ】経済けいざい部ぶ・西園にしぞの興起こうき記者きしゃはこう見みる

今回こんかいの短観たんかんでは、価格かかく転嫁てんかの広ひろがりを背景はいけいに大だい企業きぎょう・製造せいぞう業ぎょうで前向まえむきな見方みかたも示しめされました。

ただ、これに水みずを差さしかねないのが、歯止はどめのかからない円えん安やすです。

原材料げんざいりょうコストの増加ぞうかや想定そうてい以上いじょうの物価ぶっか上昇じょうしょうが続つづけば、せっかくの賃上ちんあげ効果こうかも薄うすれてしまいます。大だい企業きぎょう・非ひ製造せいぞう業ぎょうの景気けいき判断はんだんが実じつに4年ねんぶりとなる悪化あっかに転てんじ、小売こうり業ぎょうで特とくに大おおきく落ち込おちこんだことにはこうした警戒けいかい感かんが反映はんえいされています。

円えん安やすは日本にっぽん経済けいざいの構造こうぞう的てきな弱よわさを示しめしているという指摘してきも出でる中なか、力強ちからづよい成長せいちょうをどう実現じつげんしていくのか難むずかしい局面きょくめんが続つづきそうです。