2日午前1時20分ごろ、苫小牧港へ入ろうとしていたフェリー「シルバーブリーズ」から「入り口付近で乗り上げた」と苫小牧海上保安署に通報があり、海上保安署が確認したところ、波消しブロックに乗り上げて座礁していました。
乗客乗員合わせて140人が乗っていて、座礁から半日近くが経過していますが、これまでのところけが人や体調不良を訴えている人はなく、浸水や油の流出もないということです。
現場では、潮位が上がった午前10時半ごろからタグボートでえい航するための作業が行われ、午前11時40分ごろ、座礁した場所から引き離されました。
海上保安署によりますと、「シルバーブリーズ」はフェリーターミナルまでえい航されたあと、乗客を降ろす予定だということです。
「シルバーブリーズ」は、「川崎近海汽船」が所有する総トン数およそ8900トンのフェリーで、青森県の八戸港を1日に出発し、2日午前1時半に苫小牧港に到着する予定でした。
川崎近海汽船は2日と3日、このフェリーの運航を取りやめることにしています。
海上保安署によりますと座礁した現場付近の当時の天候は曇りで、風速2メートルの東の風が吹いていました。
事故当時の状況は
フェリーの乗客の30代の男性が2日午前2時ごろに撮影した映像です。
船のデッキから撮影した映像では、進行方向の前方にフェリーが乗り上げたとみられる波消しブロックがあるのが確認できます。
男性によりますと、午前1時ごろフェリーの客室にいたところ、「ドドド」という地震の地鳴りのような音が聞こえたのと同時に、断続的に大きな揺れを感じたということです。
その後、船内アナウンスが複数回流れ、フェリーが座礁して港への到着が遅れていることや、けがをした人がいれば申し出るよう案内があったということです。
男性は、「衝撃の大きさには驚きましたが、私が船内を見るかぎり、今のところけが人はいないようでほっとしています。ただ、物流関係の人たちは今後のスケジュールに大きな影響が出ているようで、忙しく電話をかけるなど慌ただしい様子でした」と話していました。