ニホンザルやヒヒ
などの
霊長類の
研究で
世界をリードし、
自然を
テーマにした
児童文学でも
知られる、
京都大学名誉教授の
河合雅雄さんが14
日、
老衰のため、
兵庫県丹波篠山市の
自宅で
亡くなりました。97
歳でした。
河合雅雄さんは大正13年に兵庫県で生まれ、京都大学理学部の動物学科に在学中、日本の霊長類研究の草分けとして知られる今西錦司さんの研究グループに参加しました。
河合さんは宮崎県の幸島で行った調査で、ニホンザルがイモを食べる時に海水で洗ってきれいにするとともに塩味をつけることを学び、その学習成果がほかのサルにも伝わっていくことを発見し、サルの文化的行動として国際的に大きな注目を集めました。
河合さんは財団法人・日本モンキーセンターの所長や京都大学霊長類研究所の教授や所長を歴任し、アフリカでゴリラやヒヒなどの野外調査を重ねました。
一方、草山万兎のペンネームで「ゲラダヒヒの紋章」などの児童文学作品も著し、特に心理学者で文化庁長官も務めた実弟の河合隼雄さんらと故郷の丹波篠山の自然の中で遊びまわった日々をつづった「少年動物誌」は、ロングセラーとなっています。
河合さんはテレビの自然科学番組にも数多く出演し、わかりやすい解説で人類の進化や野生生物の生態について紹介し、平成2年には放送文化賞を受賞しています。