ホストタウンに
登録した
自治体は
交流事業の
費用の
半分を
国が
補助するかわりに、
交流で
得られた
効果を
東京大会の
遺産=レガシーにするために
大会後も
含めて
交流を
継続することが
求められています。
現在は全国の自治体のおよそ3割にあたる528の自治体が登録し、大会前の選手の事前合宿の受け入れや、選手と住民の交流を計画しています。
しかし、去年12月に国が示した感染対策の指針では自治体に一定の受け入れ責任が生じると明記され、大会前の交流はオンラインで行うなど選手と直接接触しないよう求めました。
また、変異したウイルスの流行を受けて先月、改定された指針では選手や選手と接触する可能性がある自治体側の関係者を原則として毎日検査することが新たに定められ、自治体は県などと連携して検査態勢を確保することが必要になりました。
さらに空港や選手村から遠いホストタウンへの移動には、自治体の責任で通常の公共交通機関ではなくチャーター機や貸し切りの新幹線などを手配することを求めています。
国は指針の中で「直接の交流ができない中でも、お互いを励まし合い、大会への機運を高めていく取り組みが重要だ」と説明していますが、自治体からは交流の制約が厳しく対策の負担も大きいと戸惑いの声もあがっていました。
中止の理由は
これまでに
海外選手の
事前合宿などの
受け入れを
中止した
自治体の8
割余りが、
相手の
国や
地域からの
申し出によるもので、
このうちロシアの
体操チームは、
新潟県加茂市でことし7
月に
事前合宿を
行う予定でしたが、
移動や
宿泊の
際の
感染を
懸念して、ぎりぎりまで
国内で
調整し
直接東京に
入ると、
先月、
市に
連絡しています。
また、世界的なトップ選手が所属するアメリカの陸上チームも千葉県の成田市、佐倉市、印西市で予定していた事前合宿を、選手の安全面への懸念から中止を決めています。
今月5日には、ベトナムが、長崎県内の長崎市と諫早市、大村市、それに東京・国分寺市と北海道釧路市で予定していた事前合宿について、「世界的な感染状況を重く見て、合宿は行わない」などとして、自治体側に取りやめを連絡しています。
一方、
自治体の
側から
中止を
申し出た
ケースとしては、
福井県鯖江市が
中国の
体操チームを
受け入れる予定でしたが、
感染拡大が
収束する
見通しが
立たないことから、「
選手や
関係者の
安全確保に
多くの
課題が
ある」として
受け入れは
困難だと
打診し、
中国側も
合意したということです。
また、栃木県高根沢町はアフリカのレソト王国の陸上やボクシングなどの事前合宿を受け入れる予定でしたが、練習場となる体育館をワクチンの集団接種の会場に使用することなり、練習場が確保できないとして、受け入れを中止する意向を伝えたということです。
このほか、埼玉県東松山市はキューバのテコンドーやレスリングチームが市内の大学の施設で練習などを予定していましたが、大学側から学生の支援を優先するため辞退したいと連絡があり、代替施設の調整がつかなかったため、今月12日に事前合宿の受け入れの中止を決めました。
受け入れ中止を決断した自治体
中米・ベリーズのホストタウン、
千葉県横芝光町は、
新型コロナウイルスの
感染拡大が
続く中ワクチン
接種との
両立が
難しい上選手の
安全を
確保できない
などとして
事前合宿の
受け入れ
中止を
決めました。
千葉県北東部にある横芝光町は、成田空港に近いことから子どもたちの国際教育につなげようと、3年前、中米・ベリーズのホストタウンの登録を受け、これまで町内の学校に現地の打楽器の楽団を招いて演奏会を開くなど交流を深めてきました。
大会期間中、
陸上やカヌーの
選手団10
人程度を
受け入れ宿泊場所や
練習場を
提供する
予定でした。
しかし準備にあたってきた町役場の担当職員4人のうち1人は、ワクチン接種の準備の担当にもなりその業務にほぼかかりきりとなった上、今月下旬から高齢者への集団接種が始まれば、さらに人手をさかれて受け入れ準備との両立が難しくなる見通しとなりました。
また、国の指針に沿ってコロナの感染拡大を踏まえた受け入れ計画を作成する中で町内に唯一ある病院でもコロナの患者は受け入れていないため万が一、選手が感染したりけがをしたりした場合に安全を確保できるかや、専用車両の運転手など選手団に接触する関係者にどれほどの行動管理を求めればいいのかなど、次々に不安な点が明らかになっていきました。
そしてベリーズ側とも協議を重ねた上、先月28日、事前合宿と大会後の交流事業の中止を決断しました。
この決断について、佐藤晴彦町長は、「コロナ対策のハードルが非常に高く、直接選手村に入ってもらったほうが選手にとってもいいし、町にとってもそこにかけるエネルギーははかりしれない。ワクチン接種という一大事業を最優先で進めながら、事前合宿を受け入れるのは極めて困難だった」と話しています。
一方で、
町は
交流は
途絶えさせたくないとしていて、17
日も
青年海外協力隊員としてベリーズで
活動した
経験が
ある町の
職員が
町内の
高校に
出向き、
新入生を
対象にベリーズについて
学ぶ授業を
行いました。
生徒は、「ベリーズのことを学び、身近に感じることができたのでオリンピックでは日本と同じくらいベリーズを応援したいです」と話していました。
町では、子どもたちから選手団に向けた応援動画を贈ることを計画しています。
専門家「選手の調整に大きな差が生じる」
スポーツ社会学が
専門で
東京女子体育大学の
笹生心太准教授は、
事前合宿の
相次ぐ中止は
国際交流という
大会の
意義が
薄れるだけでなく、
大会に
向けた
選手の
調整に
大きな
差が
生じるため
競技の
平等性でも
問題が
あると
指摘しています。
笹生准教授はNHKの調査結果について「相手が中止したいといってきたケースが多く、受け入れる日本側の医療体制がしっかりしないと事前合宿もオリンピックも十分な形で開けないと感じた」と指摘しました。
また、自治体側が中止を決めたケースを踏まえ、「自治体は地域の医療体制がひっ迫して手が回らない。万が一感染している人が事前合宿に関わり、相手に感染させてしまったら取り返しがつかないと懸念する自治体も多いのではないか」と分析しました。
そして世界のトップ選手が所属するアメリカの陸上チームが千葉県内で予定していた事前合宿の中止を決めたことなどで今後も中止の動きが広がる可能性があると指摘し、「事前合宿がすべて中止され海外の選手団が選手村に直行して自国に直帰するぐらいでないと大会は開催できないのではないか」という見方を示しました。
事前合宿の中止が大会に与える影響については「オリンピックの基本理念は国際交流を通じて世界平和に貢献することで、ホストタウンはいちばん、真ん中の事業だった。コロナ禍が起きたせいで直接の交流ができなくなったのは、かなりのマイナスだ」として大会の意義が薄れることへの懸念を示しました。
さらに競技に対しても「大会前の調整は選手にとって大きなインパクトがあり、それがダメになるなら不利が大きすぎる。日本に近く時差の少ない国が有利になることが起きうるので競技の平等性に問題が生じる。世界最高の競技を見せることができないと思われて、大会への期待感がさらにしぼむ事態も十分ありうる」と指摘しています。
米特使 “ロシアの支配地域 世界が露の領土と認めるか焦点”
アメリカ、トランプ政権のウィトコフ特使はウクライナ情勢をめぐり、ロシアの支配地域を世界がロシアの領土として認めるかどうかが焦点だという見解を示しました。今後の停戦に向けた協議で、ウクライナの領土の一体性や安全の保証といった根本的な課題がどのように扱われるのか注目されます。
Source: NHK
Mar 23, 2025 05:03
新年度予算案 採決日程で与野党の協議が活発に 商品券問題で
新年度予算案をめぐり、与党側は審議を着実に進めて残り1週間余りとなる年度内の成立に全力をあげる方針です。野党側は商品券の配付問題の影響で、予算案の議論が深まっていないとして、審議時間の確保を求めていて、週明けから採決日程も念頭に置きながら与野党の協議が活発になる見通しです。
Source: NHK
Mar 22, 2025 06:03
This feature is only available for registered users!
Login
or
Register
Premium feature
You need to upgrade to a premium account to using this feature
Are you sure you want to test again?
You have reached the limit for today
Please upgrade your account to read unlimited newspapers