日本新聞: 歌舞伎俳優人間国宝片岡秀太郎さん死去 79歳

歌舞伎かぶき俳優はいゆう人間にんげん国宝こくほう片岡かたおか秀太郎ひでたろうさん死去しきょ 79歳さい

May 27, 2021 12:05

Furigana

上方かみがた歌舞伎かぶきを代表だいひょうする女形おんながたとして活躍かつやくした、人間にんげん国宝こくほうの歌舞伎かぶき俳優はいゆう、片岡かたおか秀太郎ひでたろうさんが、今月こんげつ23日にち、慢性まんせい閉塞へいそく性せい肺はい疾患しっかんのため大阪おおさかの自宅じたくで亡なくなりました。79歳さいでした。

歌舞伎かぶき俳優はいゆうの片岡かたおか秀太郎ひでたろうさんは、十じゅう三さん代目だいめ片岡かたおか仁左衛門にざえもんの次男じなんとして大阪おおさかで生うまれ、5歳さいの時ときに初はつ舞台ぶたいを踏ふみました。

昭和しょうわ31年ねんに二に代目だいめ片岡かたおか秀太郎ひでたろうを襲名しゅうめいし、上方かみがた歌舞伎かぶき特有とくゆうのはんなりとした芝居しばいを受け継うけつぐ女形おんながたとして、多おおくの舞台ぶたいで個性こせい的てきな役柄やくがらを演えんじてきました。

また、平成へいせい9年ねんには関西かんさいで活躍かつやくする歌舞伎かぶき役者やくしゃを育成いくせいする「上方かみがた歌舞伎かぶき塾じゅく」を開講かいこうするなど、後進こうしんの育成いくせいにも力ちからを入いれてきました。

おととし、いわゆる人間にんげん国宝こくほうに認定にんていされ、この春はる、旭日きょくじつ小しょう綬章しょうを受章じゅしょうしています。

松竹しょうちくによりますと、去年きょねん12月つきの京都きょうと南座みなみざでの舞台ぶたいが最後さいごの出演しゅつえんとなったということで、今月こんげつ23日にち、大阪おおさか吹田すいた市しの自宅じたくで慢性まんせい閉塞へいそく性せい肺はい疾患しっかんのため亡なくなりました。

79歳さいでした。

片岡かたおか仁左衛門にざえもんさんと片岡かたおか愛之助あいのすけさんのコメント

片岡かたおか秀太郎ひでたろうさんの弟おとうとで歌舞伎かぶき俳優はいゆうの片岡かたおか仁左衛門にざえもんさんは「兄あには当人とうにんの理想りそう通どおりの最期さいごを迎むかえられ、安やすらかに旅立たびだちましたことが私わたしどものせめてもの救すくいでございます。生前せいぜん、皆様みなさまから賜たまわりましたご支援しえん、ご厚情こうじょうに深ふかく御礼おれい申し上もうしあげます」とコメントを発表はっぴょうしました。

また、秀太郎ひでたろうさんの養子ようしとなった片岡かたおか愛之助あいのすけさんは「父ちちは私わたしを歌舞伎かぶきの世界せかいに、そして、松嶋まつしま屋やに入いれて下くださった大だい恩人おんじんで有あります。普段ふだんはとても優やさしいのですが、芝居しばいの事ことになるととにもかくにも厳きびしい方ほうでした。上方かみがたにこだわり上方かみがたの歌舞伎かぶきに情熱じょうねつを注そそがれていました。これからもなお一層いっそう、秀太郎ひでたろうイズムを踏襲とうしゅうしたいと思おもっております」とコメントしています。