4日午後3時前、世界遺産に登録されている岐阜県白川村の白川郷の観光客用の駐車場で、小屋から火が出ました。
火はおよそ1時間半後に消し止められましたが警察によりますとこの火事でいずれも木造のかやぶきで、物置として使われている小屋と配電設備の置かれた小屋の2棟、合わせて44平方メートルが全焼しました。また、物置として使われていた小屋の中に止めてあった軽トラックが焼けたということです。
けが人などはなく、川を挟んで対岸にある合掌造りの集落の建物にも延焼はありませんでした。
3連休の最終日ということで出火当時、現場付近には観光バスや乗用車などを利用する多くの観光客がいて一時騒然となりました。
警察と消防が火事の原因について詳しく調べています。
白川郷は、合掌造りの独特の景観をなす集落が残っていることで知られ1995年(=平成7年)に富山県南砺市の五箇山集落とともに「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として、ユネスコの世界文化遺産に登録されています。
このうち白川郷の地区内には合掌造りの建物として母屋が59、小屋が55あります。
白川村によりますと、今回の火事で、火の粉が他の合掌造りの建物に飛び散るのを防ぐため、集落内に59基設置した放水装置をすべて手動で稼働させて延焼を防ぐ措置を行ったということです。
こうした放水装置は、世界文化遺産に登録されてから文化庁の補助を受けて主な合掌造りの建物などに設置されているということで村では、定期的に一斉放水訓練を行って貴重な遺産を守る取り組みを進めています。
火が出たとき現場の周辺には大勢の観光客がいて一時、騒然となりました。
地元の観光協会によりますとこの地区では、沖縄県の首里城の火災を受けて村が地域の有線放送で火災への注意を呼びかけていたほか、先月27日には火災を想定した訓練も行っていたということです。
観光客の男性は、「近くの橋をわたっているときに煙が見え、さらに進んですぐ近くの土産物店に立ち寄ろうとしたときに屋根が燃えているのが見えたため周りの人に火事だと声をかけました」と話していました。
また現場のすぐ近くにある土産物店の従業員の女性は、「とても煙がすごく外へ出ると炎が見えて、自分の店も燃えるかもしれないと思いびっくりしました。沖縄県の首里城の火災もあったので村役場から注意があったばかりでした」と話していました。
この地区に住む64歳の女性は、「沖縄県の首里城の火災があって、住民みんなで火災には神経を使っていたので驚きました」と話していました。