JAXA=宇宙航空研究開発機構は、「はやぶさ2」に対して、帰還のために姿勢を制御するエンジンを噴射する信号を送り、13日午前10時すぎに無事に噴射して「リュウグウ」を出発したことを確認しました。
「はやぶさ2」は今後、姿勢を変更するなどしたあと、今月20日からおよそ2週間、メインエンジンであるイオンエンジンの試験運転を行い、来月3日以降にイオンエンジンを本格的に噴射して地球に向かう計画です。
また、「はやぶさ2」は、「お別れ観測」として搭載しているカメラで離れていく「リュウグウ」の撮影を行いました。
「はやぶさ2」は、来年11月から12月に「リュウグウ」の岩石の破片が入ったとみられるカプセルを分離して、オーストラリアの砂漠地帯に落下させる計画で、その後、国内の研究者などが岩石の破片を詳しく分析することになっています。
「お別れ観測」画像公開
JAXAは、「お別れ観測」として「はやぶさ2」が出発した10分後の午前10時15分に撮影した「リュウグウ」の画像を公開しました。
画像は、およそ20キロの距離から撮影していて、「こまのような形」とも言われた「リュウグウ」の特徴的な形が、暗闇の宇宙の中で浮かび上がっています。
出発確認時の管制室の画像も公開
JAXAは、「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」を出発したことを確認した時の管制室の画像を公開しました。
13日午前10時20分ごろ、「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」を出発したことを示すデータをモニターで確認すると、関係者がそろって立ち上がって笑顔で拍手をしている様子が映し出されています。
プロジェクトの関係者は
JAXAの津田雄一プロジェクトマネージャは「時を忘れるほど夢中なひとときをくれた、リュウグウをついに出発します。おかげでよい年をとることができました。『はやぶさ2』は進路一路地球を目指します」とコメントしました。
また、JAXAの吉川真ミッションマネージャは「リュウグウが見えてきてからの1年半、感動の連続でした。すべてに感謝しつつ地球への帰還という最後のミッションに挑みます」とコメントしました。