北海道大学の
男性教授が
中国を
訪問中に
当局に
拘束されていた
問題で、
日本政府関係者は、
男性教授が
解放され、
午後3時に
日本に
帰国したことを
明らかにしました。
この問題をめぐっては、
今月、
安倍総理大臣が
訪問先のタイで
中国の
李克強首相と
会談した
際、「
男性教授が
拘束された
状況は
受け入れられない」として、
早期解放と
帰国に
向けて
中国側の
前向きな
対応を
求めたの
に対し、
李首相は「
よく留意する」と
答え、
両国間で
調整が
続いていました。
中国外務省 教授の解放を認める
これについて、中国外務省も15日、記者会見で、男性教授を2か月ぶりに解放したと明らかにしました。
中国外務省の耿爽報道官は記者会見で「中国の国家安全部門は教授が、宿泊していたホテルで中国の国家機密に関わる資料を収集していたため取り調べを行っていた」と述べ、拘束の理由を説明しました。
そのうえで「教授は事実を認め反省の意を示したため、法律の規定に基づいて保釈手続きを行い、教授はすでに帰国した」と述べました。
今回の問題をめぐって中国側は、これまで拘束の理由などについて一切、明らかにしていませんでした。
教授の拘束とこれまでの経緯
北海道大学の40代の男性教授は中国近現代史が専門で、ことし9月上旬から中国政府系のシンクタンク「中国社会科学院」の招きで北京を訪れていました。
今回の問題をめぐって、中国外務省報道官は「中国は法に基づいて、中国の法律に違反した疑いのある外国人を処罰している」と述べましたが、拘束の具体的な理由などについて一切、明らかにせず、北京の日本大使館の職員が面会するなどして情報収集を進めてきました。
男性教授の拘束を受けて、日本の中国研究者の間では不安が広がり、中国への渡航を取りやめたり、交流事業を見直したりする動きが相次ぐなど影響が広がっていました。
安倍総理大臣は今月、李克強首相との会談で教授の早期帰国に向けた中国側の前向きな対応を強く求めていました。