自民党の派閥の政治資金をめぐる問題で、最大派閥の安倍派「清和政策研究会」では、パーティー券の販売ノルマを超えて集めた収入のキックバックを受けていた所属議員が、数十人規模に上るとみられています。
安倍派幹部で、事務総長経験もある松野官房長官は閣議のあとの記者会見で、自身もキックバックを受けていたか問われ「この場は政府の立場として答えているという認識だ。今後、それぞれの団体で事実関係を確認し必要な対応がなされると考えている」と述べ、重ねて具体的な言及を避けました。
また、記者団が「安倍派の事務総長経験者に検察が事情聴取を検討しているという報道がある」として事実関係をただしたのに対し、「捜査機関の活動内容などに関することで、答えは控えたい」と述べました。
過去に自民安倍派の事務総長 西村経産相「適正に処理」
過去に自民党安倍派の事務総長を務めていた西村経済産業大臣は、5日の閣議のあとの会見で「私はいま政府の立場にあり、派閥全体を管理する立場にはない。まずは派閥で精査しているということなので、しっかりと精査をしてもらうことが大事だ。それを踏まえて適正に対応するということだと思う」と述べました。
その上で、自身の政治資金については「いろいろ確認もしているが、秘書からはすべて法律にのっとって適正に処理をしていると報告を受けている。報告書を見ていただければ、そこにすべて記載をしていると承知している」と述べました。
自民二階派 小泉法相「私自身の収支報告書は適正に処理」
自民党二階派に所属する小泉法務大臣は、記者団に対し「志帥会を含め、個々の政治団体の状況について、法務大臣として答えることは差し控えたい。私自身の収支報告書は法令にのっとって適正に処理をしていると認識している」と述べました。
自民茂木派 松村国家公安委員長“キックバック 無いと思う”
自民党茂木派に所属する松村国家公安委員長は記者会見で、派閥の政治資金パーティーで得た収入のキックバックを受けたことがあるか質問されたのに対し、「国務大臣としてコメントは差し控えたいが、私の団体では、無いと思っている」と述べました。
自民 森山総務会長「岸田首相 責任は果たしている」
自民党の森山総務会長は、記者会見で派閥の政治資金をめぐる問題の責任が党にあるか、派閥にあるか見解を問われ、「派閥の問題、党の問題という区分はなかなか難しい」と述べました。
また「岸田総理大臣は茂木幹事長に実態を把握するよう指示しており、総裁としての責任は果たしていると理解している」と述べました。
立民 安住国対委員長「この国会中に明らかにしてほしい」
立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「キックバックの問題は常態化しているとなると、かなり悪質性がある。捜査に関わる話なので慎重に対応したいが、現時点で全く全容が明らかになってない。派閥と党は関係ないような言いぶりは通用せず、自民党としてわかる範囲で派閥から報告を受け、この国会中に明らかにしてほしい」と述べました。
その上で、今の国会での内閣不信任決議案の提出について、「出す時は本気で出さなければならず、政治的にどう有効なのか見極めたい。泉代表とも考えながら対応する」と述べました。
公明 山口代表「国民の不信感招かないよう努力すべき」
公明党の山口代表は記者会見で「検察の捜査過程であり、事案の解明を待ちたいが、国民の関心が高いので、自民党自身がきちんと説明し、政治資金規正法の趣旨にのっとり適切な処理をして、信頼を取り戻してもらいたい。1つの派閥に限らず自民党全体にいろいろな指摘があるので、国民の不信感を招かないよう努力すべきだ」と述べました。
国民 玉木代表「政治資金規正法違反の罰則強化も検討すべき」
国民民主党の玉木代表は、記者会見で「自由に使える金が捻出されているとしたら問題だ。今回の事案が防げなかったのは、収支報告書に記載しなくても『後で訂正すればいい』と、軽微な罪のように思われていることも理由の1つで、政治資金規正法違反の罰則の強化も検討すべきだ」と述べました。