「日本漢字能力検定協会」が、その年の世相を表す漢字ひと文字を一般から募集し、最も多かった字が選ばれます。
発表は午後2時から京都・清水寺で行われます。
皆さんはどんな漢字を思い浮かべますか?
これまでの今年の漢字 最も多く選ばれたのは?
「今年の漢字」は、京都市に本部がある「日本漢字能力検定協会」が1995年に始めました。
これまでの漢字を振り返ると、最も多く選ばれたのは「金」が4回。
いずれもオリンピックが開催された年に選ばれています。
2番目に多かったのは、「災」と「戦」で2回でした。
気象や災害に関する漢字も多く、東日本大震災が発生した2011年には「絆」が、阪神・淡路大震災が発生した1995年には「震」が選ばれています。
このほか、暮らしや生活に関わる漢字では消費税が8%に引き上げられた2014年には「税」が、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年には「密」が選ばれています。
みんなの予想は?
ネットでは発表前から「今年の漢字」を予想する投稿が相次いでいます。
目立ったものをいくつか紹介します。
『税』
インボイス制度など税に関わる制度が変わったことや、インターネットなどで広まった「増税メガネ」という岸田首相の呼び方をあげて「税」を予想する人が多くみられました。
『暑』
ことしは6月から8月の夏の平均気温が気象庁が統計を取り始めてからの125年間で最も高く、「異常な暑さだった」「不要不急の外出は控えて、というほどの酷暑が印象に残る」などと「暑」をあげる声もありました。
『高』
インフレによる物価高や値上げによる影響を受けたという声が目立ったほか、気温が高い日が続いたことから多くの人がこの漢字をあげていました。
『虎』
阪神タイガースがプロ野球で38年ぶりの日本一に輝いたことを受けてこの漢字を予想する声も多く、「タイガースには参りました」といった声もありました。
『球』また、野球関連では「球」というひと文字も。
オリックス対阪神の“関西ダービー”に沸いたことしのプロ野球や、日本が優勝した野球のWBC、大リーグでMVP=最優秀選手に選ばれた大谷翔平選手の活躍など「明るい話題が野球関連に多かった」といった声があがりました。
このほか、相次ぐ値上げに関連し、『値』を推す声や、戦闘が続くイスラエル・パレスチナ情勢に関連し、去年に続いて『戦』をあげる声、それにクマに襲われてけがをする人が相次いだことを受け『熊』といった予想もみられました。
歴代の今年の漢字 その年の世相は?
過去20年の漢字には何が選ばれたのか。
その年の世相とともに振り返ります。
2022年は「戦」
ロシアによるウクライナへの侵攻や相次ぐ北朝鮮のミサイル発射により、多くの人が「戦」争への恐怖や不安を感じました。
また、記録的な円安や原油価格の高騰に伴う物価高との「戦」いを体感したほか、サッカーワールドカップや北京五輪の熱「戦」、大谷翔平選手をはじめとした野球界の記録への挑「戦」も注目を浴びました。
2021年は「金」
東京オリンピック・パラリンピックで多くの日本人選手が「金」メダルを獲得。
松山英樹選手が日本人初のマスターズ制覇を達成するなど、各界で多くの「金」字塔が打ち立てられました。
一方で、コロナに関する給付金や新500円硬貨流通など、お「金」にまつわる話も話題となりました。
2020年は「密」
新型コロナが流行し、感染防止のため“3「密」”を避けるよう呼びかけられました。
また、日本学術会議の一部会員の任命拒否が内「密」に行われたことが問題になりました。
2019年は「令」
元号が平成から「令」和に。
また、法「令」改正により消費税が10%に増税されました。
2018年は「災」
北海道胆振東部地震や西日本豪雨など、自然「災」害が多発。
防「災」、減「災」意識が高まり、スーパーボランティアとして知られる尾畠春夫さんの活躍にも注目が集まりました。
一方で、女子レスリングや日大アメフト部の悪質タックルに端を発したスポーツ界でのパワハラ問題や財務省の決裁文書改ざんなど、人「災」が問題視されました。
2017年は「北」
「北」朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返したほか、九州「北」部豪雨で大きな被害が発生しました。
大谷翔平選手の大リーグ移籍の発表や清宮幸太郎選手の入団など、「北」海道日本ハムファイターズに注目が集まった年でもあります。
2016年は「金」
リオオリンピックにおける日本人選手の「金」メダルラッシュやイチロー選手のメジャー通算3000本安打達成、伊調馨選手の五輪4連覇などスポーツ界の「金」字塔に沸いた1年。
また、「金」色の衣装を身につけたピコ太郎さんの「PPAP」が世界的な大ヒットとなりました。
一方で、舛添要一前東京都知事の政治資金問題や東京オリンピックの経費問題など、政治と「金」の問題が次々と浮上した年でもあります。
2015年は「安」
「安」倍政権のもと、「安」全保障関連法案の審議が行われました。
パリの同時多発テロ事件など、世界中で「安」全が脅かされる事態が発生しました。
2014年は「税」
消費「税」率が17年ぶりに引き上げられ、8%に。
2013年は「輪」
2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催が決定。
2012年は「金」
ロンドンオリンピックが開催されたほか、932年ぶりに「金」環日食が日本の広い範囲で観測されました。
東京スカイツリーの開業や京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞の開発でノーベル医学・生理学賞を受賞するなど、数々の「金」字塔が打ち立てられました。
2011年は「絆」
東日本大震災をきっかけに、家族や友達などとの「絆」の大切さを改めて知る年に。
なでしこジャパンがワールドカップ優勝を勝ち取り、チームの「絆」が多くの人に感動を与えました。
2010年は「暑」
記録的な猛「暑」日が続き、熱中症にかかる人が続出。
小惑星探査機「はやぶさ」が10000度に達する猛烈に「暑」い大気圏突入時の温度に耐え、世界で初めて小惑星の微粒子を地球に持ち帰りました。
2009年は「新」
衆議院選挙で民主党が圧勝し、「新」政権が誕生。
アメリカではオバマ氏が「新」大統領に就任しました。
スポーツ界では、ウサイン・ボルト選手が2つの世界「新」記録を更新するなどの快挙が興奮をもたらしました。
また、「新」型インフルエンザが世界で大流行したほか、裁判員制度やエコカー減税などの「新」制度が始まりました。
2008年は「変」
日本では2007年に続いて、短期間で首相が「変」わり、アメリカでは“change”(「変」革)を訴えたオバマ氏が次期大統領に決まりました。
また、リーマンショックで世界の経済が大「変」動しました。
2007年は「偽」
食品の産地偽装や賞味期限の改ざん、年金記録の問題や耐震偽装問題など次々と「偽」りが発覚しました。
2006年は「命」
秋篠宮ご夫妻の長男の悠仁さまがご誕生。
新しい「命」を祝福する一方で、いじめによる子どもの自殺など、自殺のニュースが相次ぎ、「命」の重みを痛感する1年に。
2005年は「愛」
紀宮さまのご成婚をはじめ、芸能界やスポーツ界でも結婚が相次ぐなど「愛」を感じる話題が多い年に。
また、卓球の福原「愛」選手の活躍に期待が抱かれました。
「今年の漢字」が始まってから11年目にして初めて心あたたまる印象の漢字が選ばれました。
2004年は「災」
観測史上最多の10個の台風が日本に上陸したほか、新潟中越地震が発生するなど自然「災」害が多かった1年。
2003年は「虎」
“ダメ「虎」”と言われていた阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝を果たし“猛「虎」”に。
イラクへの自衛隊派遣問題を“「虎」穴に入る”とおびえた人も。
2002年は「帰」
北朝鮮に拉致された曽我ひとみさんら5人が24年ぶりに「帰」国しました。
また、日本中がアザラシのタマちゃんが海に「帰」ることを祈った年でもありました。
2001年は「戦」
アメリカ同時多発テロが発生。
テロとの「戦」いや大不況によるリストラや失業との「戦」いの年となりました。
2000年は「金」
シドニーオリンピック・パラリンピックで多くの日本人選手が「金」メダルを獲得。
また、南北朝鮮統一に向けて金大中氏と金正日氏の首脳会談が実現しました。
一方で、「きんさん、ぎんさん」として親しまれていた百歳を超える双子の姉の成田きんさんが亡くなり、全国の人々がきんさんをしのびました。
1999年は「末」
世紀「末」であり、東海村の臨界事故や警察の不祥事、池袋通り魔殺人事件など、“世も「末」”と思える事件が多発しました。
1998年は「毒」
和歌山市で4人が死亡した「毒」物カレー事件が発生。
ダイオキシンや環境ホルモンによる環境汚染も問題になりました。
また、反町隆史さんが歌った「POISON」が流行しました。
1997年は「倒」
当時、4大証券の一角だった「山一証券」が自主廃業に追い込まれるなど、金融機関や大企業の「倒」産が相次ぎました。
また、ダイアナ元皇太子妃やマザーテレサらが亡くるなど、“これまでの神話や社会システムが次々と「倒」れた”としています。
1996年は「食」
夏に発生した病原性大腸菌「O157」による集団食中毒や狂牛病などの発生など「食」べることに気を使う年だったとしてこの漢字が選ばれました。
1995年は「震」
「今年の漢字」が始まったこの年に選ばれたのは「震」。
1月に起きた「阪神・淡路大震災」や、「地下鉄サリン事件」、金融機関の崩壊などに「震」えたという回答が目立ちました。