去年、太平洋戦争中に亡くなった日本人の父の親族と対面を果たした無国籍のフィリピン残留2世の男性が日本国籍の回復を認められました。
フィリピン・ブスアンガ島に住む香村サムエルさん(82)は、戸籍を新たに作る「就籍」が那覇家裁に許可され日本国籍の回復が認められました。
サムエルさんの父親は、戦前にフィリピンに渡った沖縄出身の赤比地勲さんで現地で死亡していました。
戦前の国籍法では父親が日本人の場合は子どもも日本国籍になりましたが、父親の戦死や強制送還で手続きができず残留2世の多くが無国籍状態となりました。
サムエルさんは、去年12月、父の出身地・沖縄を訪れ情報提供を求めたところ、戦後、赤比地家から改姓した香村家にルーツを持つ複数の親族が名乗り出ました。
親族証言などをもとにサムエルさんと勲さんの父子関係が証明され、国籍回復につながりました。
沖縄に住む親族らはサムエルさんとの交流を深めるため14日からフィリピンを訪問していて、国籍回復の喜びを分かち合いました。
一方で、現在も、フィリピンには日本にルーツを持つ“無国籍”者が400人近く残されています。