特別背任の
疑いで
再逮捕された
日産自動車のカルロス・ゴーン
前会長が、
私的な
為替取引の
権利を
日産に
付け替える
前、
銀行側から10
億円前後の
追加担保を
求められていたことが
関係者への
取材でわかりました。
追加担保を
納めなければ
巨額の
損失が
確定する
おそれがあったということで、
東京地検特捜部は、
年末年始も
前会長を
取り調べ、
詳しい経緯を
調べる方針です。
一方、ゴーン前会長は「日産に権利を移す際の取締役会の議決には『日産に損失を与えない』と明記してあり特別背任にはあたらない」などと容疑を否認しているということです。日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)は、10年前のリーマンショックで18億円余りの含み損を抱えた私的な取り引きの権利を日産に付け替えたなどとして特別背任の疑いが持たれています。
関係者によりますとゴーン前会長は「スワップ取引」と呼ばれる為替取引を新生銀行と契約していましたが、リーマンショックによる円の急騰で含み損が急速に拡大したほか、株価の急落で担保として差し入れていた債券の評価額も下がり、平成20年10月末、銀行側から10億円前後の追加担保を求められたということです。
東京地検特捜部は、追加担保を納めなければ18億円余りの損失が確定するおそれがあったため、信用力のある日産に権利を付け替えたとみていて、年末年始もゴーン前会長を取り調べ、詳しい経緯を調べる方針です。
一方、ゴーン前会長は取り引きの権利を日産に移す際、みずからの関与を伏せる形で取締役会の承認を得ていましたが、弁護士によりますと、その際の議決や議事録には英語で「no cost for the company=日産には損失を与えない」と記されていたということです。
このため前会長は「日産に損害を与えたり、与えるつもりもなかったことは明確で、特別背任にはあたらない」などと容疑を否認しているということで、特捜部とゴーン前会長の主張が真っ向から対立しています。